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「気にするな、見合った働きをしてくれればいい」
手を引かれるまま、靡く銀髪を見つめながらその背を見た。
「見合った働きとは・・・」
「・・・すまない、つい、な。お前はまだ違ったな。自分のやりたいことを見つけて、生きていけるようになってくれればいい」
自分のやりたいこと。
何が、やりたいのだろうか。
何が、できるのだろうか。
自分には愛想よく接客ができるとも思えない。
物を造る技術もない。
普通の女の子のように生きたいと思った。
自分の思い描いた普通とはなんだったのだろう。
「がんばり・・・ます」
ここで働いていくうちに、自分にも何か見つかるだろうか。[ 20/61 ] [*戻る] [次へ#]
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