09
* * *
「開けてー!!誰か、開けて・・・!!」
雨で濡れるのも構わずに彼女は重い門を叩く。
―――早く。
時は一刻を争うのだ。
早く手当しなければ命取りになる。
「だ・・・れか・・・」
体が崩折れそうになったその時、松明の灯りと共に門が開いた。
「舞姫様っ・・・!?」
「舞っ・・・!!」
使いの少年と母が濡れるのも構わずに彼女の元へと掛けてくる。
「お願い・・・っ!!早く、・・・」
「こ・・・れは・・・」
「龍作が・・・早くしないとっ、・・・っ!!」
龍作を担いでいた舞姫の膝ががくりと折れる。
「くっ・・・」
「あなたも怪我を?」
「私は大丈夫。だから・・・部屋と何か手当できるものを・・・っ!!」
「分かったわ」[ 11/23 ] [*戻る] [次へ#]
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