こうして始まった



もう、いいと思った。
死んでしまってもいいと思ったのだ。そう思ってしまった瞬間、私の口はただ恨みを吐くだけの機械となっていた。




「嫌いだ、お前らなんて大嫌いだ、きらいだ、なんで私なの、なんでわたしだけなの、なんでなんでなんで!切らないって言ってたのに、切らないって言ったから従ったのに結局切り落としやがって返せ、返せ、返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せかえせ返してくれ返してよ私の足を私の手をかえして、うそつき、うそつきうそつき!!返してよ私からとったもの全部返して、返せないならここから出して出せないならおまえらみんな死んでしまえ死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ねしねしね!地獄に堕ちろ…!!」
「そんな目で僕らを見るな!!」


胴体だけになった私の腹部と右目に激しい痛みが走った。
こちらをみる銀髪の彼の手には愛刀が握られていて、それは鞘から抜かれていた。
白髪の彼の手には私の眼球が握られているのだろう。
暖かい何かが零れおちて、、臓物が零れおちているのだろうと思っておかしくもないのに笑みがこぼれる。

そのまま、彼らを見やる。
包帯を巻いている彼が、私の思惑に気がついて手を伸ばす。

君たち、私の笑顔が好きって言ってたよね。


「君たちを愛してるなんて、嘘に決まってるだろう」

ようやく見れた絶望の表情に久しぶりに全力で笑って、そして私の意識はブラックアウトした。




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