一部 はじまり



ぱちり。

目が覚めてまわりの風景に目を細めた。

今時風景画でしか見ないような景色に、また飛ばされたのだろうと息を吐いた。
あぁ、どうしようか。


この世界がどの世界なのか、それで私のライフラインが決まる。
もう一度ため息を吐いて立ち上がったら、背後から声がかかった。


「ねえ、君ひとりかい?」
「?」

振り返って見えたのは、見たことのある少年。


「帰るところはある?」
「…ない」
「そう、じゃあ」


僕の家に来るかい?


見つけた、私のライフライン。ただし、命の保証はされないけど。


差し出された手を握って、私は立ち上がる。


「ずっと弟が欲しかったんだ。君の名前は?」
「真、君は?」
「ジョナサン・ジョースター。君にはお兄様って呼んで欲しいな」

お兄様。
今言うことじゃないけど、みんな私の兄になりたがるよね。あれなのかな。上に立ちたいんだろうなぁ。


その日、私はジョナサン・ジョースターの弟になりました。


お父様の即決ヤバい。あの人良い人過ぎると思うよほんとに。




身寄りが無いって言った瞬間に即決かよ、やばいよ。だから付け込まれちゃうんだよ。








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