とある生徒会長の怪奇談 | ナノ
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「呪いの動画、ですか?」


「ああ。こんな事、相談していいかと迷ったんだが、」


「大丈夫ですよ。そんなに気にしないでください。」


昼休みの生徒会室。普段は屋上で昼食をとっている御杞であったが今日はここでとっていた。
それも、滝亜とジャッカルと一緒に。
赤也が聞いたらジャッカル先輩ずるいっすとわめくだろうが、内緒であるからばれないだろう。
この3人が一緒に昼食をとっているのはジャッカルが相談したい事があると言ってきたから。
それもクラス内で起こっている怪現象について。
この相談事が別の生徒に持ち込まれた物なら御杞は自業自得と一蹴しているだろうが、ジャッカルだから聞いていた。
彼は巻き込まれた側だとわかったから。


「貴方が悪いわけではありません。悪いのはその動画を見て広めた奴らですから。」


「まったくだ。」


御杞と同じように呆れた顔の滝亜。表情が面倒くさいと言っていて。
というか二人ともその問題の呪いの動画を見た生徒を探しだしてなんか色々とやり出しそうで、
相談したのは間違いだったかと一瞬思ったジャッカルだったが、この手のことは二人に相談した方がいいと、赤也達の件で思ったし、それに学校内のことであるから下手に外の人間に相談するのもどうかと思っての事だった。

事の発端は一週間前。
友人から何気なく誘われ、一緒に見た動画だった。
本来なら授業外でのパソコン使用は許可が必要なのだが、なぜか友人はそれをする事なく起動していた。
慌てて止めたが気にするなというだけ。
これが自分の口から真田や御杞に伝わる事はないと思っているのだろう。


「絶対内緒だぞ。」


そう言いながら、携帯の画面を見ながら操作していく友人。
大方某掲示板でその手のネタを見つけてきたのだろうと思いながら黙って見ていた。


「お、これだコレ。」


目的のモノを見つけたのか、笑いながらビビるなよとリンクにカーソルを合わせて、
ジャッカルは嫌な予感がした。
前の、赤也達の時のような嫌な予感。気配。
やばいと思い止めようとしたが、友人は躊躇うことなくクリックして、
画面が暗くなった。


「な、なんだ?」


「壊れたのか?」


「やべーだろ、それ!!」


どうしたものかと相談する中、ジャッカルは冷や汗をかいていた。

暗くなった画面が明るくなり映像が始まった途端、鳥肌が立った。
それを見て一安心していたようだがジャッカルは全然安心できなかった。
直感していた。コレはやばいと。


「お、おい、もうやめ」


止めた方がいいと声を変えようとした瞬間だった。
パソコンのスピーカーから聞こえた悲鳴。耳を押さえても聞こえてくる。
やがて生徒達は走り教室をで、ジャッカルも出る。
一度振り返れば、画面には血まみれの女が映っていた。






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