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庭球×携帯獣ネタ小話

「チコリータ、はっぱカッター!」


対峙しあう二人の少女。
一人はヌマクロー、もう一人はチコリータ。
相性ではチコリータの方が有利ではあるけれど、
ヌマクローに余裕が見える。


「っ、」


チコリータのトレーナー、高月牡丹は焦りを見せていた。
差がある事は知っていたけれど、ここまでとはと思っていた。
一方のヌマクローのトレーナー、鹿羽樹多は落ち着きを見せ、
相手の出方を伺っていた。

牡丹も中々の実力の持ち主ではあるが樹多にしてみればまだまだという所であろう。
でも樹多はそう簡単に勝てる相手ではない事を御杞は知っていた。


「ヌマクロー、とっしん!」


多少の手加減はしているものの、それでも威力はある。
チコリータは容易く飛ばされる。


「チコリータ!」


牡丹は叫ぶ。でも樹多は攻撃を緩めなかった。


「れいとうビーム!」


立ち上がろうとしたチコリータに向けて放たれる。
勿論避ける、事は出来ず、れいとうビームを食らう。
それで決着はつく。


「チコリータ、戦闘不能。勝者鹿羽樹多。」


審判として見守っていた鳳凰寺御杞がそう告げれば、
牡丹はヘタリと座り込み、樹多はヌマクローを労っていた。


「ご苦労様。ヌマクロー。ゆっくり休んで。」


そんな樹多に一度目を向け、牡丹の所へと歩み寄り、
げんきのかたまりを渡した。


「少し無謀でしたね。それに、樹多は」


「わかってます。」


御杞の言葉に牡丹はチコリータを抱きながら言った。


「鹿羽先輩との実力の差がある事は十分承知です。
でも、強くなりたいから、バトルを挑んだんです。」


チコリータにげんきのかたまりを与え、撫でれば気持ちよさそうにしている。
そんな牡丹とチコリータを見て御杞は微笑み、牡丹は御杞と樹多に頭を下げ去って行った。

それを見送った樹多は、ヌマクローを撫でながら言った。


「こっちは大丈夫そうだね。」


ね、ヌマクローと聞けば同じ事を思ったのかヌマ!と返事をした。
確かに牡丹は負けたけれど、他のトレーナーと比べると強い方だ。
今の実力に満足してはいないようだから、まだまだこれから、の子なのだろうと思っていると樹多の所に御杞が歩みよってきた。


「お疲れ様です。樹多。」


「んー。いいよ、別に。久しぶりにバトル出来たし。」


樹多はポフィンを出しヌマクローに食べさせ、樹多自身も鞄からお菓子を出し食べていた。
そんな樹多を見て御杞が首を傾げた。
樹多が現在いる青学はバトルの制限はしていないと幼馴染みである手塚から聞いている。

いくら本気が出せないと言っても多少はバトルを楽しめるはずなのに。
そう思っているとある考えに至り御杞は聞いた。


「相手がいないんですか?」


「あー、まあそんな所かな。」


苦笑して、そして樹多は牡丹が走り去った方を見ながら呟いた。


「いいな。あーいう子。」


「そうですね。私達が置いてきてしまった物を思い出しました。」


「紅陽もそんな事言ってた。」


ね、ヌマクローと樹多は再びヌマクローに同意を求めていた。


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BW2プレイ中でふと思い付いた庭球×携帯獣ネタ。

多分流れ的には紅陽がいろんな意味でのラスボスになると思う。



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2013/12/07 19:29

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