(生々しくてはれんちです) まず前提として、彼が感じている様子を観察するのが楽しいからしてあげているようなもので、じゃなきゃこんなこと絶対するわけない。 生臭い肉棒をくわえて、精一杯のご奉仕。 先端から溢れる雫のべとべとした感じが堪らなくイヤで、唇で彼の肉棒の表面にそれを伸ばしていく。 「ん…それ、すごく良いよコマチ」 テンゾウはその顔を歪めて、下半身からの快感に必死に耐えてるようだった。先走りの汁をあまり舐めたくなくて行った拒絶の行為だったが、まあ彼が感じてくれたなら結果オーライ。熱くて固いソレの下にぶら下がっている袋は、それなりに重みがある割にはとても柔らかくて触ってておもしろい。中に隠れている玉をつまむようにクニクニと指先に力を込めると、テンゾウは苦しそうに息を吐き出す。 「テンゾウ、きもちい?」 「うん、気持ち良すぎておかしくなっちゃいそうだよ」 「じゃあもっとしてあげる」 一瞬躊躇いはしたが、彼が喜んでくれるならと再び肉棒をくわえてみた。 くびれた部分を舐め回しながら、よだれをいっぱい出して肉棒を濡らす。 テンゾウを喜ばしてあげたくて、以前からこっそり調べあげていたのは口淫のテクニック。女の私には知る由もない感覚だが、唾液を男性のソレに塗りたくるとイイらしい。あとは愛が大事だ彼をいとおしく想うことが必要だ、なんて友達が言っていたのをふと思い出して何だか無性にやるせない気持ちになった。 「そろそろ、ヤバいかも」 官能小説や漫画みたいにうまくできるものでもないし、シてて楽しいものでもない。ぶっちゃけ嫌いだ。 それでもご奉仕して差し上げるのは、そう愛なんだ、とこうしているとひしひし実感する。 テンゾウが限界に達せそうなことを知って心底安心した私は、肉棒の先端の亀裂に浅く舌を差し込んだ。「うあ、出る」テンゾウの切なげな声が聞こえて間もなく、口内に生暖かさが広がった。 飲み込んであげたい。 その液体を出来るだけ味わわないようにして頑張って飲み込もうとしたのだが、それでもやはり口に溢れる生臭さと、ねちょねちょしたその液体の感触から、身体が全力で精液を拒んだらしい。 喉まで差し掛かったところで、まるで嘔吐するかのように白濁を床に吐きこぼした。 「だ、ご、ごめんコマチ!」 今度は本当に嘔吐しかけてえづく私の口許を慌ててティッシュで拭うテンゾウ。 嘔吐するまいと深呼吸を繰り返し落ち着いたころに胸に溢れたのは罪悪感だった。こんなふうに粗末に吐き出されては彼だって傷つくだろうと、言葉を紡ごうとする。 「その、ごめんなさい」 「それを言うなら僕だよ、口の中にあんなの出されたらたまったもんじゃないだろ?」 「でも、飲みたかったの」 「あれは飲むべきものじゃないって」 床に乗っかった精液を手際よく片付けるテンゾウは恥部丸出しで非常に滑稽ではあるが、しっかり私を気遣ってくれるあたりはやはりカッコいい。 自分が達したわけじゃないのに脱力感が身体を駆け巡り、ぼぅと彼のふさふさの髪の毛を眺めているとテンゾウは処理を終えたらしく、ゆっくりと私に近づいてきた。 「じゃあ、今度は僕の番」 私をベッドに横たえて妖艶に笑うテンゾウはとても素敵で、つい彼の思惑に添うように自ら進んで足を開いてしまった。 事に及ぶ直前に私の唇に口付けて、「すっごく生臭くて変な味だ」と苦笑いしたテンゾウに思わず吹き出したわたしだった。 愛を添えて (口の中をゆすぎたいとか、間違っても言えない) |