然るべきことのように自然と私の口内に入ってきたのは、テンゾウの舌。 ざらざらしてるのに、ぬるぬるとしている生々しい感触のそれ。恐る恐る舌先で突っついてみると、テンゾウは一瞬だけビクッと身体を震わせる。 そんな彼の反応が面白くて、もう一度やってやろうと舌先を尖らせた途端、テンゾウの舌が襲いかかってくるように私の舌に被さり、すくい上げ、ねっとりと絡まった。 くちゅくちゅ 口のなかで控えめに響く、粘膜と粘膜が触れあう音。 鼻でしている呼吸が荒々しいものになってきたのは、興奮してるからだと思う。 だってほら。こんなことしてる間に私の下半身にはじんわりとした疼きが。 ねっとりと彼の舌に翻弄され続けるのも何だか癪だったので、わたしは舌に力を込めて、テンゾウの舌を元あった場所へと追いやった。 すっきりした口内の感覚もそこそこに、今度は私がテンゾウの口内へ侵入。 とりあえず、彼の歯の裏に舌を這わせてみると、私を抱き締めるテンゾウの腕に込められた力がつよくなった。 その拍子にさらに密着するテンゾウの身体は、温かい。 「ん…ふぅ」 唇の角度をかえようと一瞬唇を離した隙にテンゾウからこぼれた吐息の色っぽさと言ったら。 こんなテンゾウ、私しらない! うっすら目を開けるとピントが合わないくらいの超至近距離にテンゾウの顔。 目を閉じて悦に入ったような彼の表情に、私は更に煽られていく。 舌をまんべんなく使って彼のそれを撫でていると、テンゾウは素直に受け入れてくれた。再び絡まりあう舌。 キスだけですっかり反応してしまった下半身の疼きを隠すようにもじもじと太ももを擦り合わせたのがテンゾウにバレたらしく、 彼の手がついに私の足を割って、中心へと触れた。 一言も交わすことなく甘美な世界に堕ちていく私とテンゾウは、 深い深い愛で繋がれいるに違いない。 甘い沈黙 (気まずいなんて、あるわけない) title by hence |