日常 | ナノ
87日目(火曜日)

ここ最近は色々なことが起きてバタバタしていたけど今日はかなり平和な1日だった。これといって書くことも思いつかない。

強いて言えば、会計中に動かなくなってしまったお客さんがいた。もさもさのアフロヘア(そういえば山崎さんもアフロだったけど流行ってるの?)が印象に残る真選組のお兄さん。これまでも時々来店している。大体何かしらの筆記用具を購入し、小銭を最後の1桁までしっかり揃えて払い、退店時にはわざわざ振り返りぺこりと頭を下げて帰っていくめちゃくちゃ良い人だ。中島くんとお客さんの話をしていたときに「お客様は神様ですってあの人のためにある言葉だと思うんだよね。ペコってしてくれるのすげーうれしい」「わかる。私は心の中で神客って呼んでる」「俺も!最初はアフロって呼んでたけど良い人すぎて改めた」と絶賛の嵐だった。そんな神客が今日は何やら様子がおかしかったのだ。

いつものように筆記用具を買い、小銭をぴったり出したところまでは普段と変わらなかった。しかしそれらが終わると突然電池が切れたように動かなくなってしまったのだ。領収書も品物も受け取らず、レジに立ち尽くしたまま微動だにしない神客にざわつく私と中島くん。声をかけても返事がない。肩を叩こうとしたら「待って夕崎さん。歴戦の猛者って突然触れられると反射で攻撃しちゃうって話聞いたことある」と言われて慌ててやめた。

仕方がないので一定の距離を保ちつつ中島くんと交互に声をかけてみたのだけど何の効果もなく、時間だけが過ぎていった。その時間はレジを一つ封鎖して、もう片方のレジだけで会計をするという緊急策をとった。忙しくなったけど、神客を責める気にならなかった。いつもはすごくいい人だしね。

結局、神客はたまたま来店した真選組の副長が連れ帰ってくれた。一体なんだったんだろう?目瞑ってたけど、まさか立ちながら寝たとか?いやいや流石に会計中に突然寝ちゃうなんてことないよなあ。精神統一の時間だったんだろうか?その方がしっくりくる。ま、完璧な人間なんていないしこんなこともあるよね。寝よ。おやすみなさい。




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