日常 | ナノ
67日目(水曜日)

今日は仕事終わりに花ちゃんと近所の寺でやっている肝試しに参加した。途中で花ちゃんに置いていかれてしまってどうしたものかと思ったけど良いものが見られて満足だ。順番に書いておこう。

そういえば花ちゃんに肝試しを誘われた時に、私はおばけにキャーキャー驚くタイプではないし、花ちゃんも普段ならこういう催しに積極的に参加するタイプではないので何か心境の変化があったのかと尋ねると「ストレス溜まってんの!!!叫んで発散するんだ!」と鼻を鳴らしていた。世間の目にさらされる仕事をしている彼女にはわたしには想像がつかない色々な悩みがあるのだろう。近所の肝試しで少しでも発散できるなら…と思って店長と中島くんに「早上がりさせてもらえないか」と掛け合ってみたところ中島くんが「俺残るからいいよ!行ってきな」とにっこり笑って了承してくれたのだ。なんていい人なんだと感激していたら「お化け役を一生懸命演じてる人のためにもちゃんと驚いてやってな…」とよくわからない念を押されて少し冷めた。

ほとんどの人が近くでやっていたお祭りの方に夢中だったのか会場にはほとんど人がいなくて、静まっている感じが逆に様になっていた。受付を済ませて花ちゃんと寺の中を歩いていたらなんだか実家にいるような感覚になってしまった。あー落ち着くわーとだらだら歩いていたら突然真横からがいこつが飛び出てきてびっくりして小さく声を上げる。それと同じタイミングで花ちゃんは「ウワァァァ!!!」と悲鳴をあげて、私を迫っているがいこつの方に突き飛ばしてそのまま全速力で走っていってしまった。友に囮にされた上に置いていかれて少し呆けたが、まぁお互い助け合っていこうねみたいな関係でもないしいいか(そもそもただの肝試しだし)と思い直して立ち上がろうとすると目の前に青白い手があった。

まじもんかと思って恐る恐る視線を移動させるとそこにはドラキュラ?に扮した坂田さんがいて「友達を囮にするたぁ中々たくましい友達じゃねーか…立てるか?」と私に手を差し伸べてくれていたのだ。(言い忘れていたけどドラキュラの格好似合ってたな。今度会って覚えてたら伝えよう。)お礼を言ってその手を取ろうとすると「那津に触るなァァ!」という声と共に坂田さんが吹っ飛んで、代わりにお岩さん?に扮した神楽ちゃんが「フン!男は皆狼アル!」とゴミを見るような目で倒れている坂田さんを見ていた。沖田の話をしてから神楽ちゃんがセコムのようになってしまった。誰も私に気などないので大丈夫なんだけど、でも誇らしげな顔をする神楽ちゃんがかわいいからしばらく黙っておこう。お化けの格好もすごく可愛かった。神楽ちゃんは本当にかわいい。

あーーつかれた。で、なんだっけ?あーそう、そのあと新八くんにも会って、出口まで一緒に歩いて花ちゃんと再会した。もう眠いしこれで良いや。終わり終わり。いま思えば全然まともに肝試しできていないし転んだときにすりむいた膝は若干痛いし踏んだり蹴ったりだったけど、花ちゃんはいっぱい叫んでスッキリしたみたいだしまぁいいか。寝よう。




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