日常 | ナノ
93日目(月曜日)

今日は昼頃にミツバさんと沖田がそろって来店してきた。ミツバさんがかわいすぎて、江戸中の人間を虜にしてしまうのではないかと本気で心配してしまう。日記に書いておこう。

沖田姉弟は相変わらず仲が良さそうで買い物中はほっこりしながら見ていたんだけど会計中にミツバさんが「あっいけない。七味切らしてたんだ」と商品を取りに行ってる間に沖田に「姉上がわざわざ出向いてやってんだからちったァ笑えよ能面女」と言われたせいで台無しになってしまった。この間、自分の都合で人を親友にしたくせにこの言われようはなんなんだ。確実に舐められている。このままじゃいけない。そう思って言い返してみることにした。

「私、笑ってます」「どこがでィ。目死んでんぜ」「たった今死んだんです」お前のせいでな!とまでは言えなかったけど今日の私は頑張った。

七味を持って戻って来たミツバさんは言い合う私たちを見て「あらあら今日も仲良しね」と美しく微笑んだ。仲良し…とは…?流石の沖田も否定するじゃ…と思って視線を向けると「はい!親友なので」と、にっこり笑っていた。役者か?相変わらず変わり身が早すぎる。この笑顔に比べれば私が接客時に浮かべているものなんて真顔だわ。

と、ここまではいつもの流れなんだけど問題はそのあと。否定したら殺すと言わんばかりの圧を放つ沖田に勝てる気はせず、でも素直に言うことを聞く気にもならず「そういえば親友でした」と少しだけ反抗心を混ぜた回答をするとミツバさんに「そーちゃんばっかりずるい。私も那津ちゃんと仲良くなりたいな」と言われ可愛すぎて心臓が痛くなった。あなたと仲良くなりたくない人なんて、この世界には存在しません。と言いたかったけど引かれる気がして言えず「是非よろしくお願いします」とだけ伝えて深々と頭を下げた。

ミツバさん、今日も体調良さそうだったな。定期的に病院には通ってるけどとっても順調らしい。良かった。お言葉に甘えて今度お茶に誘わせてもらおう。




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