ネット通販(消火後)

 ぽちぽちネットを触って、色々と探す。商品をカートに入れて、ゴー。代金の支払いは直接水道光熱費を払うカードへと続いている。ほしいのを探していると、ゲーラが肩に乗っかってくる。
「おっ、ななし。これ入れといてくれ」
「ラグ?」
「おう。そろそろ買え時だろ? 裸足で歩く用にしておこうぜ」
(なにが?)
 なにか心当たりがあるような気がしたけど、無視することにした。「これとこれも」と炭酸ソーダとジュースも選んでくる。あ、コーラ。ゲーラが私の手を覆って、マウスをカチカチした。続けてお菓子も選ぶ。全然、お酒のオツマミとかじゃない。
「お菓子とか、普通に食べるの? お酒とか、映画とか見ずに」
「お前と過ごすこととなりゃぁ、酒抜いた方がいいだろ」
 首の後ろから腕を回されて、頭を抱えられる。ゲーラの唇が髪の毛に近付くと、チュッと頭皮にキスを落とした。それから離れる。結構、ラグが高い。自宅で洗濯できるとかあるし、うん。考えるのはよそう。後ろでパカッと冷蔵庫が開く。プシュッと音がして、ゲーラがビールを飲みながら部屋に戻った。私は、リビングでまたポチポチとする。送料も、結構いいところいってるけど、せっかくだからもう少し買おう。インスタントとかでもいいかな? その辺りを探していると、今度はメイスが出てくる。ちょっと疲れ気味のようだ。ドサッと背中から圧し掛かってくる。
「なにか頼むのか」
「重い」
「それなら」
 問答無用で私の手を覆いながら、マウスを動かす。
「これとこれだ」
「家に置いてなかった? これ」
「お試し用だ。少し試してみたい。あと、これとこれもだな」
 そういって、他に色々と入れてくる。化粧品だ。「あと、お前の分も買っておけ」と勝手に私の分も入れてくる。
「お金、足りなさそう」
「リボ払いだ」
「やだよ、そんなの。借金地獄」
「なら、次の給料日分を当てるか」
「また貯金を崩す」
「三人分だ。どうってことはない」
 とメイスが私の頭を引き寄せながら、旋毛の辺りにキスを送る。また離れて、キッチンへ入った。(本当、似た者同士だなぁ)ついでにメイク用品で気になるお試し用品も、カートに入れる。パカッと棚が開いて、キュッと蓋が開く。メイスがラッパ飲みをしながら、部屋に戻った。
 リビングに、私一人が残される。色々と予定が詰め込まれたような気がするけど、とりあえず確定ボタンを押した。


<< top >>
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -