鴨が葱を背負う(消火後)

「そういえば『恋人に甘えられるとストレスが軽減する』んだって」
 なんかよくわからないけど、甘えれるといいんだって。と、ななしが首を傾げる。これにゲーラとメイスがピシッと固まった。(わからねぇって。そりゃぁ)(もちろん『恋人』の定義がだろうな)正直、説明が面倒で放棄した実情はある。この辺りを説明するとなると、色々と煩雑だからだ。(っつーか)と苦い顔をしながら、ゲーラは尋ねる。
「んなこと、どこで知ったンだよ」
「ネット」
「鵜呑みにするな。ちゃんと情報の精度を」
「雑誌も見た」
「それこそ玉石混合じゃねぇか」
「まぁ、それはそうとして。どうしてそんな話になった」
「だって」
 突っ込むゲーラと指摘するメイスに呆れられながらも、ななしはいう。
「なんか、疲れてそうだから。それを軽くできる手伝い、できないかなって」
(そりゃぁ)
(確かに、色々と疲れてはいるが)
 バーニングレスキューの業種は、頭脳と体力が必要となる。臨機応変に対応する判断力も必要であれば、過酷なスケジュールをこなす体力も必要となる。自然と、慣れないうちは疲れが溜まりやすい。スッと視線を逸らす。どちらともなく、直視を避けた。
「そんじゃぁ、頼むかね」
「制限はないのか?」
「せいげん」
「また色々と教えた方が早ぇな。こりゃぁ」
「いや、自発性を尊重した方がいいだろう。そっちの方が早い」
「とりあえず、甘えてもいいよ。ほら」
 ななしが腕を広げる。無防備に制限を設けない態度に、ゴクリと唾を飲み込んだ。


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