視聴中

「人を丸呑みにする蛇」
 ポツリと呟いたら、三人が反応した。リオはなにやら難しそうな顔をしている。
「人肉の味を覚えたとなると、倫理的にダメだろう。僕たちも間接的に人を食べたことにならないか?」
「あー、いくら腹減っても人間までは食べなかったからな」
「というか、健康的にヤバイだろう。骨髄まで喰ったら、脳味噌もスカスカになるぞ?」
「歴史の教科書で載ってたね。それ」
「現代史辺りじゃねぇか?」
「そうともいう。まぁ、共食い辺りで調べれば出てくるだろう。フィルターさえ掛かってなければな」
「つまり、人を食った蛇を食うのは危ないということになるよな。間接的に」
「そういうこった」
「でも、どうやって見分けるの? 大きさ?」
「だろう。意外と、栄養価が高いからな」
「牛をも絞め殺す大きさになるんだっけか? そのくらいになると」
「あー、っと。らしいな」
 あっ、何気にゲーラがスマートフォンで調べている。ちょっと覗き込めば、人を食べた蛇についての情報が並んでいた。タイトルの文字をクリックすれば、そこへ飛べるようだ。
「触んなって」
「被害も出てるっぽい」
「生息域による、か?」
「それと、その土地の暮らし方も影響する。共生も議論に上がるからな」
「へぇ」
「できるだけ、小さい蛇の方がいいのかな」
「食えるところは多そうだけどな。まっ、人間の頭を飲み込めなさそうなサイズだと大丈夫だろ」
「顎を外せることも忘れるなよ」
「まったく、恐ろしいな。最終的に牛すらも丸呑みにしてしまうんだから。とっとと僕たちに寄越せって話だ」
「丸呑みした牛を? 蛇の胃袋から取り出して?」
「食えるか?」
「加熱してもいけるのか?」
「呑み込む前の状態だ」
 そう議論しているうちに、次のターンに入っていた。


<< top >>
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -