ホットミルク

 コトコトとホットミルクを作る。なんか無性に飲みたくなったのだ。温めたミルクにハチミツと砂糖を入れたヤツ。内なる衝動に打ち勝てないまま、かなり好みに味付けを行う。砂糖は大盛り三杯、いややっぱり小さじ一杯分は追加で。それでハチミツはたっぷりと。
 そう思って多めに作ったら、部屋を占拠するゲーラとメイスからも、くれと頼まれる。仕方ないので、鍋にある分を三人分とした。
「はい、どーぞ」
「おう、助かる」
「礼をいう。さて」
 ソファに寄りかかるゲーラが体を起こし、メイスが一口飲む。瞬間、メイスの眉間にかなりの皺が寄った。
「かなり、甘いな。これ」
「そう?」
「おう。トゥインキ―ほどじゃねぇけどな。すげぇ甘いぜ」
 これは。とメイスに続いてゲーラもいう。こんなにたくさんのジャンクフードを平らげた二人がいうものだから、よっぽどのことなんだろう。私も自分のを飲む。
「わ」
(これはかなり甘い)
 味見もしていないので当たり前だ。そう自省しながら座るところを探すと、ポンポンとソファを叩かれる。
「ここ、空いてるぞ」
「座るとこねぇんだろ」
「最近、一人用のソファを買うことを考えているのだけれど」
「んなの邪魔だ、邪魔」
「さらに狭い部屋が狭くなるだけだぞ」
(誰のせいだと)
 主に我がもの顔で居座ってる誰のせいだと。そう思いながら、仕方なく空いたソファのスペースに座るのであった。


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