パインジュース

 純度百パーセントのパイナップルジュースを飲む。脂の分解が速い。胸に溜まった気持ち悪さが、瞬く間に消えていった。
「飲みすぎんなよ。筋肉付きすぎて、ムッキムキになるからな」
 残りを処理する先輩が、淡々といった。そういえば、最近筋肉が増えたような気がする。心なしか、逞しくなったような。
「ムキムキマッチョ?」
「そうそう」
「蟇郡先輩のは、流石に」
「あー、逆に速さが落ちちまうからな。付きすぎると」
「先輩くらいなのが、ちょうどいいというか」
 あっ。だからか? だから最近、パインジュースがパックで置いてあるのかな。確かに、私も空いたときに飲むし。ゴクゴクと飲んでたら、コップの中が空になる。足りない。もう一杯! おかわりをグラスに注いでいたら、先輩が固まっていたことに気付いた。顔を真っ赤にして、食べるのをやめている。顔を赤くして、ボーッと口を開けていた。注いだ分を飲む。先輩は相変わらず、顔を赤くしていた。
「えっと、食べないの?」
「あっ、お、食うに決まってんだろ!!」
 あ、照れ隠し。そう思いながら、パインジュースをもう一口飲んだ。


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