また、また

 ミックスベジタブルはとっても万能だ。缶詰で売ってることもあるし、冷凍食品で売ってることもある。グリーンピースとキャロット、コーン。それだけを入れればお子様ランチにも彩りが出るし、もう一品添えたいときとかにも便利。現にコンニャクにもう一品加えたいときにも役に立った。その夕食後。私が洗い物をしているときに、先輩が私の肩を掴んだ。ちょうど先輩が流しの前に立ったのだ。洗い物を手伝ってくれるのかな、と思ったら使ったコップを洗ってた。そのまま食器乾燥機の中に入れる。少し退いてくれるかな。そう思って体を動かしたら、先輩に肩を掴まれた。体を先輩へ向けていたこともあったんだろう。両肩に手を置かれたまま、先輩が体を屈める。気が付いたときに顔をあげたら、先輩の顔が近付いていた。そのままキスをされる。さっき食べたご飯の味がした。軽く唇を合わせるだけで、先輩が離れる。
「なに?」
 と聞けば「いや」と先輩が返す。
「キス、してぇと思わねぇか?」
「歯を洗ったりしたら考えます」
 とりあえず、食べたご飯の味がするキスはあんまりである。そんなことを考えたら「そうか」と先輩が返した。またキスをされる。体を屈めた状態であるというのに、辛くないんだろうか? また顔が離れる。
「やっぱり、コンニャクはごま油で炒めると美味しいですね」
「それ、今いうことか?」
「先輩、まだ歯を磨いてないから」
 そういうと、先輩が口をへの字に曲げる。困ったように眉を下げて、目を瞑る。そして軽く溜息を吐いてから、また私にキスをした。
「そうかよ」
 といって、私から指を離した。顎が解放される。少しだけ浮かした踵も、床に戻した。先輩の顔がもう一度近付いて、オデコにキスをされた。
「歯、磨いてくるわ」
「私も、磨くのでお預けですよ」
「わぁってるよ」
 そういって、私の頭を撫でながらまたオデコにキスをした。


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