そう声をかけると、僕は医療用の手袋をしっかりとはめて、用意していた薬を手に取った。
大き目のトレイに、それをなみなみと注ぐと、まるでアメリカンドックの様な形をした、太くて硬いコットンが付いた大きな綿棒をそれに浸した。
少しとろみの効いたそれは、実はサキュバスから抽出した媚薬効果のある液体だった。
それを、首から太ももの辺りまで、塗れる範囲全てに塗る。
コットンを置いた瞬間、驚いたようにこっちを見たが、その後は怖いものを見たくないのように目を背けた。

「ひっ・・・ン」

胸や股間など、人間の性感帯の所では微かに声が漏れた。
やはり、憑依体が感じる場所は、悪魔自身も感じるらしい。
この実験の第一調査は成功だ。

「あまり動かないで頂けますか?上手く塗れません」

「無理言うなっ」

「あ・・・感じられたのですか?形が変わってますよ」

「っつ・・・股間を触られて、全く反応しない方がおかしいだろ」

尖った犬歯をむき出しにして、悔しそうに顔を歪める。
どうやら、悪魔にも羞恥心はあるらしい。
実験の第二調査も成功。

「確かにそうですが、これは実験ですので、自重して下さい」

「だから・・・はぁっん」

手に持つものを少し大きめの筆に換えて、先程よりも濃度の高い薬を乳首へと塗りつけた。
反対の乳首にも塗ると、祓魔師はビクビクと体を震わせ、声を出さないように口を食いしばり耐えていた。
筆をもう少し大きいのへと換えようとその場を立つと、祓魔師が潤んだ眼をして睨んできた。

「い、一体、何を塗った・・・」

「変化がわかりますか?」

「この体になってからっ・・体への観察は怠ってない。それがっ、早く自分の物にするため・・の近道だからなっ」

時より苦しそうに顔を歪ませる姿に、薬と拘束具の効果の程を知る。

「簡単に言うと、サキュバスから抽出した媚薬です。それから、拘束具にはサキュバスの致死節の逆の活性化させる効果のある行を書いてあります」

「な、何っ?!」

「悪魔は、快楽の求道者です。逆に言えば、快楽には弱いとも言えます」

幅5cmほどの横に広い筆を取って、先程の薬を浸し、話しながら股間に塗る。

「ひっ・・・やぁッ、ん――ッ」

「人間は、快楽ばかりを与えられると逆にストレスとなり、身に負担になります」

「ン――ッ、く・・や、ン――・・やぁっ、ンっ」

「快楽に弱い悪魔が、もしそのまま人間と同じ仕組みでストレスになれば、快楽に耐えられずに人間の体から出ることを選ぶかもしれません」

「−っく・・ヒッ・・や、ン―――ッ、あぁん・・・」

「今までの祓魔は、憑依体ごと悪魔を攻撃をするだけでした。もちろん、それもいいのでしょうが、僕は悪魔の弱点を少し違う点から攻めてみは、と思ったんです」

「ちょ・・ッ、ま、まてッ・・・お、奥む、らっ」

筆で袋を撫でたり、亀頭の敢えて触って、下へ下ろしたり刺激を与える度に、ビクビクと体を震わせる。
声だけはプライドのためか、必死に抑えようと口をしっかり結ぶものの、耐え切れずに所々漏らしている。
サキュバスから抽出した媚薬は相当効果があったようだ。
即効性で絶大な効果を期待したが、期待通りだった。
実験の第三調査も成功だな。

「ですから、手加減をするつもりはありません。イキたいだけイッて下さいね」

筆を縦にして、亀頭を責め上げると腰を浮かせて、小刻みに震えだした。

「ひっ、馬鹿っ・・・あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁっ」


祓魔師はそのまま、腰を浮かせて停止し、自身の腹の上をすこし黄色身を帯びた白で汚した。
しばらくそのままの状態で小刻みに震え、カクっと力なく腰を落とした。
はぁはぁと荒くなった呼吸を落ち着かせるよう様子の中、祓魔師は自身の変化に気づいたようで、自身の下腹部に目をやった。
そこには今達したはずなのに、元の形に戻っている自身のモノがあった。

「・・・クソッ」

自分では制御できない体に、舌打ちする音が聞こえた。



雪男は、そんな夜を置いて、次の道具へと手を伸ばしていた。
器具の中にたっぷりと例の薬を塗りこみ、ちゃんと稼動するか確認すると、夜の側へとやってきた。
どうにもならなくて悔しそうに顔を歪ませる夜をよそに、雪男は夜の股間にそれを嵌めた。

「ふっ・・・く、な、だよ。ソレッ」

イったばかりで敏感なそこに、新たに刺激を加えられ、ぐっとその刺激に耐える。
夜の股間には、如何にも竜騎士が使いそうな機械的な道具が装備された。

「電動オナホールです。オナホールはご存知ですか?」

「・・・いや」

「そうですか・・・まぁ、使えば分かるし、一石に二鳥ですね」

そういうと、オナホールについている大きなスイッチを入れた。
オナホールはカタンカタンカタンと機械的な音を鳴らして、動き始めた。
オナホールの中は、シリコンで出来た小さな棘がたくさんついていて、嫌でも男のモノを刺激する仕組みなっている。

「ひっ、ンッ―――――ッ」

強すぎる刺激に、歯を食いしばって、全身に力を入れて耐える。
しかしそれも、息継ぎをする度に崩れ去り、その度に喘ぐ声が漏れる。
耐えられないと言う様に、足の指まで力を入れて、ベッドのシーツを押し蹴ったり、腰を浮かしたり、首を左右に激しく振ったりして、快楽からの抵抗を見せる。
ついにはうっすらと涙を浮かべて訴えるように、雪男を見た。

「あ、やっ・・・な゛ぁぁあああん」

再び、体を強張らせてイクが、先程と違って腹を汚すことがなかった。
その為が、イク感覚がずっと続いて、夜は困惑したまま、大きく喘ぎ続けた。

「ヒッ、あぁぁっ、な、なんで・・ッアァ」

羞恥心で声を抑えるよりも、強すぎる刺激に耐える方が難しいく、中心で暴れ狂うそれに翻弄される。

「空イキしたんですよ。イクのに感覚が狭すぎて、精液が溜まらなかったようです。大丈夫です、空イキを含めて10回ぐらいではテクノブレイクは起きませんから。」

激しい快楽で頭が回らない夜に、さらりと説明をする。
そして、最初に使った大きな綿棒に、薬を付け足して乳首を弄り始めた。
胸への新しい刺激が加わり、夜は体を捩じらせ、再び空イキをした。
ぎりぎりで耐えていた涙は、頬をつたり、閉めることができない口からも頬に流れる筋を作っていた。

「た、たの・・・ンッ・・・と、止めッ、あ゛ぁぁん」

股間で勝手に自分を高める機械を、止めて欲しくって足を内股にしてみるが、その動きも快楽に変わってしまう。
胸への刺激も止まったわけではなく、本当に永遠にイかされ続けるのではないかと思った。
さすが、若君の弟というべきなのか。
それとも、さすがエリート祓魔師というべきなのか。
宣言どおり容赦ない責めに、夜は喘ぐで懇願するしかなかった。


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