雪男は、太い綿棒をもう一つ持ち、片方は変わらず乳首を、片方は張り詰めた袋の方を優しく触ってやった。
すると、夜は高々とした声をあげて、二度目の射精をした。
その間も、その直後も一切手を緩めてやらない。

「あぁん、やッ、もっ・・やめ、た、頼ッ・・あ゛ぁっ・・・ヒッ」

二つのフランクフルドほどある綿棒を使って、両方の乳首、時には両方で袋を弄り、また片方で別々のところを弄るたびに、夜は体を震わせて空イキを繰り返した。
空イキがくせになってしまった体は、中々達することができなくて、より夜を苦しめていた。
けれど、そればかりを繰り返してると夜の反応は、一定を保って喘ぐだけで、まだまだ決定的なダメージを与えるところまで達してなかった。
雪男は、左にある綿棒にたっぷりと薬を染み込ませると、後ろの口の入り口を軽く擦った。

「ひゃぁあんっ!」

夜のビクッと飛び跳ねた反応に、雪男はそのままその入り口を弄り始めた。

「や、やめ・・・そ、そこはっ・・」

首を大きく横に振って、嫌々をする。
今までよりも一番はっきりと拒絶の意思を伝えていたが、体の方は今から行う事を受け止めようとするように、どんどん入り口の緊張が緩んでくるのがわかった。
雪男は、乳首へに刺激を与えていた右手を袋に変えて、左手はそのまま後ろの入り口へと、押し込んだ。

「やぁぁぁぁああああっ」

夜は目を見開き、ボロボロと涙を流して、悲鳴にも似た声を高々と上げた。
雪男は、手を止めることなく、彼の感じる箇所を探し、何度何度も出し入れをした。

「あ゛ぁ・・ああん・・あ゛ァァ、ア゛ッ」

夜は今までの抵抗が嘘のように、大人しく喘ぎ続けている。
目は見開いたままで、涙を抑える様子もなく、肩で息をするしている。
そろそろ限界かもしれない・・・そう雪男が思った瞬間、夜の体がビクリと跳ねた。

「ヒッ、あ゛ぁァァーッ」

本日三度目の射精は、最初のものよりも白く、薄くなっていた。
夜はイったことで、閉じることを忘れていた目を閉じ、眼の淵に張っていた涙をボロボロと零した。
静かになった夜に雪男は、あることに気づいた。

イキすぎのために足は既に痙攣を起こしていたが、夜は異常なまでに上半身まで震わせていた。
媚薬の副作用が起きたかと、実験を終了させるか迷い始めたその時、だった。

「パ・・ズス、も・・・やめ・・ぐすっ、言うこと・・聞くがらっ・・っく」

ここに居るはずのない名前を、夜は口にした。
雪男は慌てて、手を止めて夜の顔を覗くいて、はっとする。
夜は、既に意識が殆どなく、眼の光は完全に失い、口から出る言葉は誰かに懇願するものだけだった。



赦して、赦して、もう出来ない、殺してくれ・・・と。




拘束を解き、自分のコートが汚れるのも気にしないまま、雪男は夜を抱き起こした。

「ごめんなさい・・・もう、楽になっていいよ」

「・・・ぐすっ・・・赦して」

「おやすみなさい、協力ありがとう」

ポケットから取り出した小さな注射器を、夜の首元に当てて解毒剤を投入する。
夜は完全に意識を飛ばして、静かに眠った。







意識を取り戻すと、体は綺麗に拭われていたのか、ベタベタした感覚はなく、コート以外の衣服は身に纏われていた。
少しぼぅとする頭を振り、籠の中にあるコートに手を伸ばすと、そこに一枚のメモが置かれていた。

「『協力ありがとうございました。実験は結果的に失敗になりました。折角協力して下さったのに、良い結果を導かされなく大変申し訳ありません。また違う方法で祓魔薬学を研究しようと思います。また、どこかでお会いしましょう。奥村雪男』」

メモをくしゃりと握り潰す。
重苦しい下半身を大きく動かし、この怒りの根源へと急ぐ。
扉をドンと開けて入ると、その根源はまたもや優雅にお茶を啜っていた。

「メフィスト−−ッ!!」

「なんですか?ノックぐらいちゃんとなさい。行儀が悪いですよ」

「あんな実験だと聞いてない!ふざけるのにも程がある!!」

「そうですね。私も最初は驚きました。何せあの子は、真面目一徹でそんな発想するとは思わなかったものですから」

「若君の弟の話はどうでもいい!」

「前にも言おうと思ったのですが、奥村燐くんを『若君』と呼ぶのは止めなさい。誰が聞いているかわかりませんよ」

「兄貴の話もどうでもいいんだよ!!」

「まぁ、落ち着きなさい。なかなか面白い着眼点だったと思いますよ。確かに悪魔は快楽に弱いです。欲するあまり、自分を見失う悪魔の方が圧倒的に多いでしょう。貴方だって、それはわかっていでしょう?」

「・・・確かに、否定は出来ない」

「しかし、貴方のように、変り種も存在します。貴方は悪魔としての欲望は一度だって持たなかった。そして、確実に欲を満たすために、欲を自制する悪魔も存在します。まぁ、発案したきっかけがあの兄では、結果は見えてましたが」

「え?!」

「先日のハロウィンで、思いついたそうですよ」

「ハ、ハロウィン?」

「奥村先生も、まだまだですね」












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兄さんに似ている夜に、結局非道になりきれなかった雪男。
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