呆れかえる青銅。
その空気をヒシヒシと感じながらティアは紅茶を一口含んだ。
「あなた方は、聖闘士ですか?
それとも、他の役職なのでしょうか?」
「俺らは聖闘士だぜ。」
「まあ!
まだお若いのに、凄いですわね!」
お世辞でも何でもない、
屈託のない笑顔で褒められて皆まんざらでもない様な顔をした。
「そういうティアも、とても若いように見えるのだが…。」
「そうですね…。
若いと言ったら、若いですわね。」
くすくすと口元に手を当てて笑うティア。
謎めいた台詞だが、穏やかに笑う彼女を見たらもう疑う気が失せた。
「じゃあ、ティアさんはもう聖域に行くの?」
「そうしてもいいのですが、折角ここまで来たのですし…。
それに私、めったに外には出られない身ですから、人の営みを見ていきたいですわ。」
少しだけで、寂しそうに笑った。
それをみて、星矢は何かを決心した様な顔をした。
「なあ!ティアさん!俺らと一緒に町を見て回らねえ?」
「え?」
「妙案だな。」
「僕達も夕方に聖域に行くから、それまで遊ぶのもいいと思いますよ?」
「い、良いのですか…?」
「これも何かの縁というものだろう。」
「折角なのだし、良いのではないか?」
五人にそう言われて、嬉しそうに満面の笑みを浮かべるティア。
六人は早速町をめぐることにした。
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bkm