01/10 01:48
うぐしし/欲


うぐしし

途中で違うなあとボツ
途中まで書いたお話のあとに軽いプロットがあります。


 共に居られるなら何でも良かったのだ。
 晴れの日。獅子王が白い洗濯物を干していく。数振りが協力して行う様子を見ながら縁側で茶を飲めば、春の陽気が心地良かった。季節は春。桜が美しく、過ごしやすい季節だ。
 金色の髪をきらめかせながら獅子王が振り返った。うぐいすさんと楽しそうに手を振る刀に手を振り返し、思わず微笑めば、若い見た目の彼もまた笑った。それがとても幸せで、俺はとても幸福だと思った。刀としての幸福なんぞもう得られないと思っていたが、こうして己を振るえるようになった。そして慕ってくれる、仲良くしてくれる刀がいる。嗚呼、何と幸福なことだろう。

 その日も俺は茶を飲んでいた。今日淹れた茶は少しだけ苦かったが、それもまた良いものだろう。苦味もまた愛そうと笑ったら、隣で獅子王が不思議そうにしていた。良い茶だと言えば、そうかあと変わらずに不思議そうだ。
「獅子王が隣にいるからな。」
 きみがいるなら何だって。そう言えば獅子王は刃色の瞳を柔らかくして、はにかんだ。

 その日は曇り空だった。獅子王が遠征からまだ帰ってこない。
 流石におかしいだろうと本丸が騒がしくなる。審神者である主は何度も交信を試し、強制帰還が出来ないと政府に問い合わせているようだ。鶴丸と大倶利伽羅が迎えに行くと言い出し、燭台切と今剣に止められている。早い時期、同じ頃に顕現した獅子と鶴と倶利伽羅の三振りは仲が良い兄弟のようだったからだ。
 俺はというと茶を飲む気にならず、静かに本丸の縁側に座っていた。時空を超える門がよく見えるそこで、じっとその門を見つめた。隣に座るぞ、と三日月宗近がやって来た。



途中放棄
プロット↓

欲のなかった鶯、しかし獅子王に好きな人がいるとわかると豹変。ある日獅子王を隠そうとして、抵抗する獅子王を言葉で責め立てる。獅子王はぶわっと泣いて、俺が好きなのは鶯さんなのに何でそんなことをいうの!って叫ぶ。そこで鶯さんが気がついて、ハッとして、すまなかった、ありがとう。そして、俺も好きだ、と。


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