心地良いまどろみの中、スティーブの手がわたしの頭を優しく撫でる。
さっきまでわたしの身体に優しく触れていた彼の手は、今もやっぱり優しくて。
無意識のうちに、その手をとってまじまじと見つめていた。

「スティーブって、手おっきいね」

「片手でわたしの頭掴めそう」と言うと、くつくつ笑いながら「そんなことしないよ」と返される。

「比べてみようか?」

目の前に広げられた手のひらに、自分のそれを合わせる。
一関節以上大きいスティーブの手と比べると、わたしのはまるで……

「子どもの手みたい」

性別や人種の違いもあるんだろうけど、本当に大人と子どもくらい差がある。

「その華奢でかわいい手も好きだよ」

そう言ってスティーブは合わせていた手を少しずらし、指を絡めた。
なんだかとても幸せな気持ちになって、繋がれたスティーブの手の親指にキスし、調子にのって指先をはむはむとくわえる。

「それは、僕を誘ってるの?」

ニヤリと口の端をつり上げながら、再びわたしに覆い被さるスティーブ。
繋いだ手は離さないまま、次々に降ってくる口づけを受け止めた。


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