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「たく、何故この僕がこんなことまで……」
「当たり前だろ、お前だって机何個か破壊したんだから」
「それは! お前が! 避けるからだっ!!」

面堂が青筋を立てて書類の束を机に叩きつける。また壊れるぞ。

「まーま、もーちょっとで終わるんだから」
「……で、さっきから思ってたんだが」
「うん?」
「何故、お前は、そこでずっと携帯電話をいじってるんだ???!」

耳にキンとくる大声だ。俺は髪が逆立つのを感じながら、耳を塞いで天災のような周波数が行きすぎるのを待った。

「いや、はじめにちゃんと半分に分けただろ? 俺はもう俺の分終わっちゃったんだもん。待っててやってるだけ感謝しろよな」

まあ、先生に二人で持ってこいと言われたから仕方ないのだが。面堂は俺が指し示した山を見ると、ぐぬ、と漫画みたいな悔しそうな顔をした。

「何故……?!」
「お前がバカ丁寧すぎんだろ。適当でいいんだよこんなん、適当で。早く終わらして帰ろーよ」

雨続きの秋、久しぶりに天気の良い日だったのに。ちょっと面堂怒らせたら暴れ出して、逃げ回ってたら先生に捕まって……。ま、後悔先に立たず、か。期間限定で無料の漫画読みたかったし、ちょうどいいか。俺はまた適当に椅子にかけた姿勢をもっと楽にして、前の机に両足を組んで置いた。
それにしても、この漫画……なんかやたらと、エロいな。直接的なシーンがないのが余計に想像力を底上げさせる。さっきの、ベッドシーンのぼかした描写、やられてる女の顔と台詞がすっげーエロくて……正直、さっきから、勃ちそう。
教室には二人きり、下校時間からもう1時間も経っていて、廊下を通る足音ももう聞こえなかった。ここの教室が両端の階段から離れた中程に位置するのもあって、生徒が出ていけばほとんど誰も通らない。
また指でスクロールして続きを読んでいたのだが、体がむず痒くて、腰を曲げてないと苦しくなってきた。

「ちょっと……」
「何だ?」
面堂は邪魔するなと言わんばかりに睨みつけながらも律儀に手を止める。
「ちんこ勃っちゃって、抜きたいんだけど……ティッシュ持ってない?」
「は、はあっ??!! 急に何を……」

ぼろぼろとホチキス止めする前の書類の束が足元に広がった。あーあ、そんな動揺して、童貞かよ……。顔を見たらこっちが驚くほど焦って赤くなっている。
ん?
なんか……今見てたから、そう思うだけか……。漫画の中で男に犯されて顔蕩けさせてあんあん言って咽び泣いていた女の顔、よく考えたら、面堂にめちゃくちゃ似てる。
普段高飛車で取り付く島もないくせに、ちんこ差し込んでガンガン突いてやると、我も忘れて気持ちよさそうにして、泣きながらもっと、と言って見つめてくる、色白でキツイ目つきの、顔だけは可愛い女だ。
俺は急に興奮してきた。気が変になった、と言ってもいい。教室には二人きり、誰も通らない……。

「……面堂って、男に抱かれたことあんの?」
面堂は不自然なくらい黙って、こめかみや首に汗をダラダラかいている。
「え、まじで? 本当に?」
俺が立ち上がると面堂は怯えるように後ずさって、その腰が机にぶつかって紙の束がバサバサとまた床に落ちた。あーあ、後で拾わないと……。考えながら、面堂の白い制服を腹のあたりで引き寄せて、その机に押し倒した。

「否定しないってのは、肯定ととるけど」
「……だ、だったら何だ」
「抜かしてよ、これ」

面堂の手を自分の体に服の上から当てさせる。自分の下で顔がまたかっと熱くなったのが見えた。体が熱くなると、男も女も自然にそうなるのか、見上げてくる面堂の目が潤み出す。やめてほしい、というよりは、続きを期待するような熱さで。

「……どうやってやんの?」

少しも待てなくて俺は面堂の服を上から遮二無二脱がし出した。






「……っ、ふ…」

鼻息が付け根に当たって、擽ったさで声が出る。俺は足の間にある面堂の頭を少し撫でながら、つい我慢できなくて腰を揺らした。

「ん、んっ」

苦しそうな声にまた興奮して、思わず、頭を両手で抱え込んで激しく奥まで何度も押し込んで、喉の奥に全部ぶちまけてしまいたくなる。だけどそんなことで終わってしまったらもったいない。面堂は膝をついて俺のいる椅子に向かって座りながら、片手で自分の後ろをいじっていた。それもやたらと、エロくて信じられない気持ちになる。もう興奮してすっかりその気になっている俺は、面堂の頭を撫でて、「もういいよ」と普段絶対言わない声で言った。面堂が音を立てて唇からそれを抜き出すと、赤い舌からとろりと糸を引いて唾液と先走りの粘液の混じったものが垂れ落ちた。可愛い、と思って抱き抱えるように立たせて、唇をねっとり絡めてキスをする。そうしながら、さっきの机にまた寝かせた。
「もう入れたい」
準備ができてるのか分からなかったが、そう言って手を顔の横につくと、面堂はまた少し切なげに眉を寄せて、目を潤ませて俺を見上げた。否定しないなら、肯定だろう。俺は、面堂がさっき自分の唾液で濡らして既にとろとろと熟したようになっているそこに、もうはち切れそうな自身を突き立てた。
すげー、狭そうだけど、こんなとこに入んのかな……。
気がつけば面堂の前のものも、しゃぶっていただけのくせに、勃ち始めている。意外とすげえ、好きなんだなこいつ。そう思って興奮して、唇を舌で舐めながら、腰をすすめてそれを一息に押し込んだ。
「……は、あっ……」
「うあ……っ、熱っつ……」
体と体の隙間がなくなるまで、根本までどぷりと入れてしまうと、あまりの狭さに、腹筋が浮き出て痛くなるほど下腹部に力を入れた。きゅうきゅう躍動するように締め付けてきて、進めば進むほど熱く、包み込んでくる。両手でぎゅっと握られるよりキツくて、気を抜くと今すぐ達してしまいそうな強烈な快感に目が眩みそうになる。
「あ、あ……まじで、キツい……」
ゆっくり確かめるように、出し入れするように動かすと、皮が引っ張られるくらい摩擦されてたまらない。気がつけば夢中で腰を叩きつけるように動かしていて、息があがっている。中でじっとり汗をかいていた分厚い学ランを急いで投げ捨てた。
入れた途端、面堂は感嘆のようなため息をついていたが、シャツの前をあけて腹や乳首を弄りながら何度も突くと耐えられないというように短く声をあげて、俺の腕の肘のあたりに手をしがみついてくる。
女は腹側が好きだけど、男はどうなんだろ。試しに脚を高く持ち上げて折らせて、繋がったまま、体を倒すようにしてぎゅうと押し込んで見ると、先端がぐりぐりとどこかの壁を突きあげる感覚がある。
「ーーああああっ!!」
面堂が泣き叫ぶように叫んで、両腕を肩から首に回してくる。そこを何度もしてやると、泣きながら、すごい、と感嘆の声を漏らした。普段憎まれ口しか言わない声で、こんなことを言われたらたまらない。俺は目をあけているのも苦しくなるくらい、我慢の限界を超えて、机をガタガタ言わせながら腰を抱えて何度もそこをついてやった。
「あ、あ、も、もう……っ、そんな、突いたら……っ」
面堂が呂律の回らない声で泣き喚く。その顔を上から見つめながら動きを止めずに何度も突き上げて揺さぶってやると、
「あ、っーーーー!!!」
体を大きく逸らすように硬直させて、ビクビク痙攣しながら潤んだ目を細めた。「あ、ああっ……」深いため息をついて体が弛緩した後も、放電するように時々ブルブルと身を震わせて、うっとり目を細めた。気がつかないうちに、少しも触れてない前でも白濁を放出してシャツを開いた腹の上に広がっていた。
それをじっと最後まで見つめてから、俺ももうとっくに限界の自身を抜き出して、絞るようにくびれ近くを少ししごくと、面堂の胸の上にぶちまけた。どぴゅうと音を立てるように思ったよりたくさん出たそれは、顔の方まで飛散した。唇から鼻先、乱れた髪の生え際までどろりと飛び散って、綺麗な顔がすっかり男の欲望で汚れきっていたのに、本人はまだうっとり満足そうな顔で惚けていた。
「……あ、まだ、出そう」
残ったむず痒い感覚があり、もう少しそれを弄った。それに応えてか面堂が誘うように唇を開いて、熟れた果実のような舌の先を覗かせる。
「……どこで覚えんの、そういうの」
憎らしいくらい興奮して、俺は誘われるままそこに喉の奥まで突っ込んで、最後の残り滓を奥深く注ぎ込んだ。「ん……」口の中もねっとりと濡れて熱くて、気持ちいい。抜き出す時に擦れるのすら気持ちよくて、思わず息が漏れた。唇から離れた瞬間、手を喉の突起のあたりにおくと、面堂が喉を上下させてごくりとそれを嚥下したのが分かる。普段涼しい顔で優等生面しているくせに、男に犯されて汗をかいて顔を上気させてよがって、上手に誘って喜んでいる姿に、気がおかしくなるくらい興奮してしまう。
俺はもう一度、「そういうの、誰に習ったんだよ」と呟いたが、面堂は赤い頬でまだ息を乱して、俺を見上げるだけ、少し笑ったような気もしたがわからなかった。










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