七 | ナノ










冷たかった。
思わず、離れてゆくのがつまらなく感じてしまいそうになるほど、しっくりと馴染んで肌に吸い付くような、優しい温度の低さだった。

「委員長」

無表情に見つめられて、怒るより怪しむよりなんだか恐ろしかった。
薄いガラスを隔てたすぐ向こうでは、強い風が吹いたらしい。大きく揺れた枝から桜の花びらが、埋め尽くすほど、白く舞っていた。
すぐ近くで、見つめる、影の落ちた茶色い瞳。
静かだった。
















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