一 | ナノ










「おい小泉」
「……はい」
「これよろしく。」

バサッ。委員長がこちらを見ながら、手に持った大量の書類を机に置いた。

「だ、誰が…」
「お前に言っとるのだが。」
「少しは自分も仕事しろよバカ委員長!」
「本当よあたるくん。小泉くんにばっかりやらせちゃダメよ」
「しのぶ先輩!」
「ほら、じゃあこのくらいはあたるくんがやりなさいよ」

割って入った彼女が書類の山の上から6割ほどを委員長に返した。(女神!)

「こら委員長命令に背く気かっ、小泉」
「別れるわよ。あたるくん」
「むっ……」

ぴしゃんと音がしそうな冷徹な言葉にさすがのバカ委員長も口をつぐんで引き下がる。しのぶ先輩がちらと自分を見てウインクした。

(ほんっと、なんでこの二人なんだろうな〜…)

笑顔で親指を立てながらもう何度目か分からない疑問を頭の中で反芻する。

正直、永遠の謎である。












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