「いつもどこにいなくなるのかと思ったら、こんなとこにいたんだ」 読んでいた本を閉じる。……見つかった、と思った。なのになぜか嬉しいときのような高揚感に心臓が浮いた。 「先輩こそ仕事はどうしたんですか」 「寂しいの? お前」 質問に答えない彼は、僕のフェンスに絡めた指を見てから視線を合わせて不躾に質問を重ねて返した。 「……まさか。」 言葉に窮したのはもちろん、見当違いだから。 ポケットに入った手がこちらに伸びる。触れる、かと思った手は、すぐ横の網目にカシャンと音を立てて指をかけた。横顔がすぐ下の往来を見下ろす。 「結構高いよな」 「怖いんですか?」 挑発めいた言葉に反応するかと思ったのに、なぜか真剣な目は隣にいる存在など気付きもしないかのように、ぽつりと言った。 「……落ちてみたいと思ったことある?」 本当にこの男は、返答に詰まる質問ばかりする。 |
「狂おしく鮮明に僕の記憶を埋め尽くす」「 パラレルワールドっていうかなんでもあり、オリキャラ注意、ラムが後輩、あたしの、あた←ラム、キャラの関係捏造などいろいろと注意 |