first contact



「ん、んっ……ふ、ぁ……ぅあ、ん」

「っん、」


薄暗い部屋の中、テーブル横のランプだけが唯一部屋を照らしていた。
そしてその中に、ぴちゃぴちゃと響き渡る水音とシーツが擦れる音。


「っ、さとー、くん……」

「……どうした?」


佐藤くんと付き合い始めて、手握って、キスして。
そして今日初めての夜を迎えるワケだけど……。


「いきなり、は……なしだよ……っ」


佐藤くんの家に招かれたと思ったら、いきなりベッドへと腕を引かれてキスされた。
しかも最初から深くするものだから、お陰で力が入らない。


「悪い、正直あんま余裕ないから」


涙でぼやけた視界に佐藤くんの顔が映る。
よく見れば、瞳が欲に濡れたように揺れていた。


「……相馬」

「ん……っ、」


佐藤くんの手がするりと俺の頬から首筋へと触れる。
その間にも鼻、頬、瞼、額へと口付けられ、最後にはまた唇に辿り着く。
だが触れようとした彼よりも先に口を開く。


「あ、のね……」

「ん?」


落としていた視線を彼へと合わせる。
すると一瞬、とくりと鼓動が高鳴るのがわかった。


「優しく……してね?」


体勢的に上目遣いでそう言えば、彼は目を見開いて固まった。
だがそれも一瞬のことで、すぐに微笑んだかと思えば上から抱き締められた。


「さとーくん……?」

「あぁ、もう。それ反則」

「え? ひゃ、あ!?」


再び唇に軽くキスを落とされるとそれを合図にシャツの下から手を差し入れられる。
指が肌を滑る感覚にびくりと肩が跳ねた。


「あっ、ん」


腹を滑る指はいつしか胸まで達しており、冷たい空気に晒されて既に反応している突起に触れる。
時折グリグリと爪で押し潰すような動きをされれば、俺の口からは矯声しか出なかった。


「んぁ……や……、ぁ」


男の癖に、こんなに感じるものかと自分の身体が嫌になる。
でもそんなことどうでもよくなるような、淡い刺激に頭がボーッとする。
カチャカチャと音がすると思えば、佐藤くんが俺のズボンを下ろしていた。
恥ずかしいと思うよりも先に彼の大きな手が俺のを包み、素早く上下に扱き始めた。


「あ、あぁ! やぁっ、あっあっ」


俺のはいつの間にか先走りを漏らしており、扱かれる度にも先端からどくどくと溢れ出ていた。


「あっ、ん、さとー、く……っ」

「……博臣」


滅多に呼ばれない下の名前を呼ばれれば、同時に口を塞がれる。
口内をうねうねと動き回る彼の舌は、引っ込めていた俺のを絡ませて翻弄する。
普段よりも激しいその動きに、身体の奥からぞくぞくと何かが這い上がってくるような感覚がした。






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