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*『』内はラインとか電話とか適当な感じでお読み下さい


34
A『おはようBくん。突然だけど2、3日学校を休むことになったから今度ノートを見せてもらえないだろうか』
B『おはよ。何かあったの?』
A『祖父が倒れたらしい。まだ詳しいことは分からないけど、ちょっと遠方だから』
B『そっか、ノートの件は了解。早く良くなるといいな』
A『ありがとう。あと、できればプリントとかも頼んでいいかな』
B『おう、こっちのことは任せとけ』
A『助かるよ。Bくん、僕がいなくても寂しがらないでくれ』
B『別に寂しくねーけど、気をつけて行けよ』
A『ありがとう。行ってきます』


35
A『じいさんただのギックリ腰だった』
B『え、そんだけで呼ばれたの?』
A『腰痛で動けなくなってるところを遊びにきた従兄が見つけて、それで慌てて親戚に電話したら話が大きくなってしまったらしい。今親戚大集合で飲み会中』
B『そっか、まあ何にせよたいしたことなくて良かったな』
A『そうだな。移動時間が長かったから来るだけで疲れたけど』
B『そういやどこにいんの?』
A『当ててみてよ。写真送るから』
B『え、何これどこ? めちゃくちゃ海綺麗なんだけど。もしかしてハワイ?』
A『いや、さすがに国内だよ。沖縄らへんの小さい島』
B『沖縄か。いいな、行ったことねーわ。じゃあ飛行機?』
A『飛行機乗ってフェリー乗って、そこからまた小さい船に乗り換え。帰りの船が2日後らしいから帰れるのはしあさってくらいかも』
B『マジか。大変だな』
A『でもそれより僕がいなくてBくんが寂しがってないか心配だよ』
B『だから寂しくねーって。せっかくだし楽しんでこいよ』
A『僕は寂しい。早くBくんに会いたい』
B『名』
A『ん?』
B『ごめんミスった』
A『照れちゃった?』
B『照れてねーよ。帰ってくる時土産買ってこい』
A『ご当地アナルグッズがいいかな』
B『それはいらない』


36
A『びくん』
B『?』
A『びーくん』
B『どうした?』
A『よってる』
B『船酔い? 帰りの船明日じゃなかったっけ』
A『あわもりのまされた』
B『酒かよ。というかAくん変換しろよ』
A『ぐらぐらふる、あたまが』
B『寝ろ』
A『たのしいきぶん』
B『そりゃ良かったな』
A『でもびーくんといっしょにいるのはもっとたのしい』
B『気のせいだろ』
A『きのせいじゃないよ』
A『あいたいな』
A『びーくん?』
A『Bくん』
A『おーい』
A『……』
A『瑞季くん』
B『急に名前で呼ぶなばか』
A『Bくんこそ無視はやめてくれ。これが噂の既読スルーってやつだろ。悲しい』
B『Aくん本当に酔ってんのかよ』
A『Bくんに無視されたから身を引きちぎられるような悲しみを感じて酔いが醒めた』
B『大げさなやつだな』
B『でもごめん』
A『今デレた?』
B『デレてねーよ』


37
B「あー……」
B「……」
B「なんか静かだな」
B「……」
B「……」
B「Aくんいないとつまんねーな……」
B「……」
B「……」
B「いやいや違う、今のなし。何言ってんだ俺は」


38
A『もしもしBくん?』
B「おー、どしたのAくん。珍しいな電話してくんの。何かあった?」
A『いや、別に用事はないんだけど声が聞きたくなっちゃって』
B「Aくん俺の彼女かよ」
A『違うけど、でもなれるものならなりたい』
B「え」
A『いやむしろBくんを彼女にしたい』
B「何言ってんだ。また酔ってんの?」
A『もう酔ってないよ。完全に素面』
B「素面で言う冗談じゃねーよ、それ」
A『別に冗談じゃないけど。声が聞きたかったのも本当だよ』
B「あーそう……、あ、そういえばAくん」
A『なんだいBくん』
B「明日帰って来れんの?」
A『うん、ああでも遅くなるから途中でもう一泊かな。フェリーだか飛行機だかとの乗り継ぎが悪いらしくて』
B「ああ、そうなのか。じゃあこっち帰ってくんの明後日?」
A『そうだな、でも土曜日だし母さんと妹の買い物に付き合わされるかもしれないから、そしたら日曜かな』
B「へえ……」
A『どうしたBくん。Bくんも僕に会いたくなっちゃった?』
B「……」
A『Bくん?』
B「……うん」
A『えっ?』
B「Aくんがいないと暇なんだけど」
A『……えっ! Bくん……!」
B「何だよ」
A『今日だけで二回もBくんがデレてくれるなんて! まさか夢じゃないよな?』
B「うるさい。一回もデレてねーよ」
A『会えない時間が愛を育むというのは本当なんだな。Bくん、僕は今猛烈に感動している』
B「うるせーってば。あれだよほら、お土産が楽しみなだけ」
A『うんうん、ご当地アナルグッズだったよね』
B「ちげーよ。そもそもそんなもんあってたまるか」
A『アナル専用ではないけど近くに男根崇拝の神社か何かがあるからそこに行けばおそらく色々グッズが』
B「なんつー場所だよ! やめろ普通にお菓子とかにしろよ」
A『そうか、お菓子だな。じゃあ両手に抱えきれないほど大量に買って帰るよ』
B「そんなにいらねーよ。つうかもう何もいらねーからさっさと帰ってこい」
A『まさかの三度目……! 僕もう死んでもいい』
B「うるさいもう切る」
A『寂しい思いをさせてごめんね』
B「してない。もう切るから。おやすみ」
A『おやすみBくん。飛んで帰ってくるから楽しみに待っててくれ』


39
A「Bくん! ただいまBくん!」
B「おか、えっ? あれ、帰ってくんの早くね? まだ金曜だけど」
A「ちゃんと飛行機乗れたんだ。乗り継ぎの問題じゃなくて満席だったらしいんだけど、運良く1席キャンセルが出たから僕だけ先に帰らせてもらった」
B「そっか、大変だったろ。お疲れ」
A「Bくんに早く会うためなら何でもないよ。でもごめんね、こんな夜遅くに押しかけて」
B「それは別にいいけど、えっ、うわっ」
A「あーBくんだ……」
B「ちょ、Aくん苦しい」
A「本物のBくんだ……いや待て、本当に本物のBくんなのか?」
B「は? 偽物なんていねーよ」
A「僕の夢の中にいっぱいいるんだよ。こうやって抱きしめてても僕の腕の中で大人しくしてくれているBくんは限りなく夢の中の偽物に近い」
B「うるせーな。偽物だと思うなら離れろよ」
A「嫌だ。偽物だとしても離れたくない。いや待てよ、もし偽物だとすればアナルを舐めても嫌がらないはず」
B「そんな夢見てんのかよAくん。やめろ今すぐ離れろ。おい、流れるような手つきで尻を揉むなってば!」
A「ああ、この嫌がりようは本物だな。ただいまBくん」
B「どんな判別法だよ。でもまあおかえり。疲れただろ」
A「うん、Bくんに会えた安心感からかどっと眠気が……」
B「マジかよ、部屋まで送ろうか? 部屋どこ?」
A「5階の端……」
B「げ、遠いじゃん。歩ける?」
A「んん……」
B「無理なら泊まってけ。あ、でも変なことすんなよ」
A「ん……」
B「あーもう、ここで寝るなよ、重いって。ベッドまでがんばれ」
A「んん、ありがとうBくん……」
B「はいはい、おやすみ」

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