ああ、そうだ、この眼だ。
私を蝕んで止まないのは。




dearly




サスケのチャクラがあたりから消えた。
それが一体何を意味するか、皮肉にも私はよく知っている。
闘いの場において、どれだけの忍の終焉を見てきただろう。


彼を殺した張本人は、今自分の眼の前にいる。
しかし。
憎しみに感けて男に立ち向かうことなど、できないことをサクラは自覚していた。
こちらを振り返って笑う男の顔。
サクラの肢体へ注ぐ眼が、どういう状況を意図しているのか。
サクラは己の喉の奥が、ぐっと詰まるのを感じた。

「さぁ、次はお前の番だぜ、サクラ」

腰からすっと小刀を出した男が、その光る刃の先でサクラの頬に赤い線を引いた。
そうしてあふれ出た深紅を、男はサクラの顔にグイッと己の顔を寄せ、蛇のように冷たい舌先で拭った。

「…っ…いや…」

抵抗の声を絞り出そうとも、男の全身から染みだす恐怖がそれを許さない。

「その前にたっぷりと楽しませてもらうとするか」

男がパチンと指を鳴らし合図をすると、サクラの自由を拘束していた木が消えてなくなった。
その衝動でサクラの身は湿った地面へと放り出された。
胸を強く打ちつけたサクラは、思わずせき込んだ。
男の影が、サクラに重なる。
サクラの身につけている薄っぺらい布地など、男の手でいとも簡単に引き裂かれた。

「…やめて…!」

彼女の豊満な身体が闇夜によく映える。
男の口の端が不敵につり上がった。

「あのすかした野郎を夢中にさせた身体がどんなもんか、堪能させてもらうぜ」
「違う…!そんなんじゃない!」

この身体は穢れた身体だ。
あの人に抱かれることなど到底叶わぬ夢の夢。
サクラの脳裏に、先ほどのサスケの姿がよぎる。
赤い閃光に突かれた彼の身体。
死んだ?
まさか――だってサスケくんよ?

「離して!サスケ君を探しに行かなきゃ!」
「無駄だぜ。奴はもう死んだ。どうせなら、奴の眼の前でお前を犯せばよかったな」
「死んでなんかいない!サスケ君は…っかは!」

サクラの声が不自然に途切れた。
先ほどびりびりに破いた服の布切れをサクラの口に強引に詰め込んだのだ。

「うるせぇよ、サスケ、サスケって。そんなに信じられねぇんだったらあいつのチャクラ拾ってみろよ」

男が嘲笑する。
そうしてサクラの柔らかい肌に指を滑らせた。
乳房を乱暴に揉みしだく。
抵抗しようと身をよじるも、チャクラを奪われているため、この男の前においてサクラはただの無力な女であった。
男の欲望を受け取るだけの、玩具。
指の先で、敏感な部分を弾くように摘ままれて、

「んっ!」

電気が走るような衝撃にサクラの身体は弓反りになった。
足の先が痙攣するような感覚に、サクラは歯を食いしばった。

「もうイッちまったのか。感度のいいこったな」

男はサクラの口腔から服の端切れを取り去ると、今度は自分の逸物を変わりに詰め込もうとする。

「う…ぐ…っ…!」

男の臭い男根を一気に喉の奥まで突かれ、咽かえりそうになるのを奴が許さない。
サクラの頭をつかんだまま、ぐっぐっと前後に動かした。

「歯立てやがったらどうなるか、わかってんだろうな」

男がちらりと足元を見た。
サクラの太ももに、二匹の蛇が、舌を出しながら這っている。
するりと、女の深みに舌を伸ばす。
パチンという男の指の合図と共に、蛇の頭が、サクラの中に入ってきた。

「!いゃぁ!」

膣の奥に響く衝撃で、男のものを口からはずす。
前後のピストン運動を繰り返す蛇は、容赦なく、奥まで侵入する。

「口がお留守になってんぞ」

サクラの口に無理やり捻じ込んで、男は荒々しく突いた。

「っう…ぐ…ん…う…!」

サクラの中を出入りするひんやりとした蛇が、彼女の愛液に濡れ、地面に染みを作った。
身体が、疼く。
反吐がでるぐらい嫌な感覚だ。
こんな状況でも、身体は火照ることは忘れない。
女としての悦びに興じようとする。
これが数年で、サクラが培った能力。
――今更、何を悔いようか。
サスケを守れなかったこと。
この身を守れなかったこと。
こいつに穢されたこと。

「舌動かすの忘れんな。いつもてめぇがサスケにしてやってたようにやってりゃいいんだ」

男はサクラの頭をつかんだまま、己の物をその喉へ突く。
何度も嗚咽するサクラに構うことなんてない。

「おら、イくぜ、ちゃんと飲み込めよ」

その声とともに、異物が喉の奥へ、一層深く入り込んだ。
生温かい精液が、サクラの喉へ注がれる。
男が口を解放すると、サクラは思わずせき込んだ。
彼女の口を、白濁の液が伝う。
すると、休む間もなく、男はサクラの身体を弄った。
幻獣に犯されたサクラの密部へ、男は指を沈めた。

「…っああ…ん…く…!」

男の太い指はいとも簡単に、女に飲み込まれる。
愛液で滴る指を引き抜いて、男は己の指をサクラの口に突っ込んだ。

「ほら、犯されて悦んでる涎をてめぇが綺麗にしな」

言いながら、男は露の溢れた膣内に己の男根を宛がった。

「!…だめっ!それは、」

はっとして抵抗したサクラの力はむなしくも、全て男によって抑えられる。
拒絶する意志とは反対に、女はすんなりと男を受け入れた。

「っ!…やめてぇっ!」
「しっかり締めあげてくるくせによく言うぜ」

男の動きが激しくなればなるほど、得も云えぬ恐怖がサクラの心を縛った。
何がくノ一だ。
どんな修練を積んだとて、こういうとき、不利になるのはいつだって女だ。
生まれ持った性質が、サクラの存在を無下にする。
いつもは自分から、男の手中に収まった。
自分を犯した男への復讐のため。
あんたたちは女の私にこんなにも翻弄されるのよ、と身体で教え、見下した。
心に闇が広がるのが分かる。
あの朧月でさえ、照らすことが出来なかった、暗い暗い闇。
再び溺れる感覚を、サクラは朦朧とする意識の中で、覚えた。
底見えぬ漆黒の穴に堕ちていく感覚。
助けを求める手を、今度は伸ばさなかった。
だって誰も助けに来ないことは、わかっているから。


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