ネタ会話文 | ナノ






201201〜拍手

12月31日のこんなタイミングで誰かと思えば、真っ赤な顔をして息を切らしている比呂士くんだった。テニスの試合中以外では、滅多にこんな姿を見れないせいか、見慣れない彼の姿にびっくりして声が出ない。

今年は家族で過ごすつもりでしたが、やはりあなたと過ごしたいと思いまして、思わず家を飛び出して来てしまいました。なので、このような格好ですいません。

パジャマの上からその辺にあったジャンバーを羽織ったというのが丸分かりな彼の格好を見て、あたしは思わずくすりと笑う。普段は見れない彼の焦り具合に対する面白さと、そこまでしてあたしに会いたかったのかという喜び。
そうすれば彼は、走ってきたのとは違う意味で顔を赤くした。それから、あたしを強すぎるくらいに抱きしめて。

は、恥ずかしいのでこのままで。
私が言いたいのはただ一つ、私はあなたと過ごせて幸せですので、これからもよろしくお願いします。

愛しています、という言葉の後に交わされたキスとほぼ同時に、新年の合図があたしの耳に届いた。








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