ネタ会話文 | ナノ






201001〜






「面白いよね。」



おかしな人も居たもんだ、そう思った。言った張本人の名無しさんは俺の後輩であり、ダブルス相方のダビデと同じクラスでもあり、更にこのテニス部のマネージャーでもある。そんな名無しさんが面白いというのは、そのダビデのことで。



「まぁ、そうだな。」



面白くないとは思わないが、ダビデには悪いけど全てのネタがウケるわけじゃない。だから曖昧な返事しか出来なくて、そう返せば名無しさんは不満そうな顔。



「あんまり面白くないって顔してる!」

「いや、面白くないってわけじゃなくて…」

「酷い!バネの裏切り者!」



大きい声でそう叫ぶから、皆は一斉にこっちを見る。別に裏切ったわけじゃねぇのに、集まってくる野次馬達からは犯人扱い。



「黒羽は黒かね?…プッ」

「勝手に犯人扱いすんな!」



探偵気取りでそういうダビデにツッコミを入れる。すると野次馬の1人であるサエが、何を思ったのか探偵ポーズで近寄ってきた。因みに俺が思う探偵ポーズは、腕を組んで顎に手を当ててる感じ。



「何があったの?」

「バネがダビデのギャグ面白くないみたいな言い方する!」

「別にそんなんじゃねぇって!」

「バネさん酷い…」

「だから違うんだよ!」



やばい。ダビデがマジで落ち込んでる。が、何をどう言い返しても誤解が解けなくて。すると突然ただ1人、サエだけが「あはっ」と笑い出すから、自然と皆の目がそっちを向く。



「わかった。バネは、名無しさんがダビデを褒めるのが気に食わないんじゃない?」

「っ!」

「……え?」

「あはっ、真っ赤なバネの顔が証拠だよ。」



何を言い出すかと思えば急に図星を突かれて、俺は思わずその場から逃れる様に走り出した。後ろから「黒羽は黒だね」なんて聞こえてくる。



犯人逃走中


(只今犯人が部室に逃げ込みました!)
(確保ー!)
(おーっ!)



拍手\(201001.闇†風)







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