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「もういい」
「え?あ、あぁ」
パッと腕をはなされ、ゴトンと音をたてて腕は床に着地する。
相変わらず、無表情で事を運ぶヤツだ。
「あの……」
あぁ、何か言いたげだが。
俺はその口に手をあて、それ以上言うのを許さなかった。
「いいから、任せろ。大丈夫だから……」
悲しそうな古泉の顔。
見ていられなくて俺は、顔を背け長門の指示通り、暗い夜道を一人で歩く事にした。




――――――――

「暗い」
只今の時刻は午前2時。
普段なら熟睡して夢を見ている頃だろう。
そんな考えに浸りつつ歩いていた俺の背後に、気配が生じた。


――来た。


覚悟を決めて、目を瞑る。
瞬間――。
「キョンくんっ」
抱き締められた。
温もりの感じない、ただ相手を傷つけるためだけのバグ。
俺は驚いたフリをして肩を震わせようとしたのに、身体はそれを実行する前に、悪寒からの震えを出していた。


「す、すみませんっ、ビックリしてしまいましたか?」
「こんな真夜中にやられたら誰でも驚くだろっ」
いつも古泉に話し掛けるみたいに、怒る。
そうすれば、相手は俺に簡単に騙されて――――。





いや、気づいていた。
気づいていて、乗ってきたのだ。




「キョンくん」
軽く口づけられ、暗い路上に引っ張りこまれた。
ニヤニヤ笑って、アイツは言う。
「外ですると、興奮していつも以上に感じるって本に書いてありました。試してみましょう?」
「はぁ?ふざけんなっ」
否定の言葉を投げつけたにも関わらず、古泉Bは、俺のズボンを下着ごとずり落とした。
「な……っ」


いきなりそっちから行くか!!


不安と恥じらいに戸惑い、慌ててワイシャツの裾を引っ張る。
「駄目ですよ、いけない人ですね。僕の前で隠しものなんて」
その手を捕まれ、あっさりと自身を露出させられた。
そのまま、口婬と手婬をされる。



「……っ、く…ぁ」
はしたなくも快楽に敏感に反応し、勃ちあがる自身。
「は、なせ…っ、も……」
「イキたいですか?でも、まだ、駄目です」
ぎゅっと根元を握り込まれ、息がつまる。





「あなた、本当に僕の事が好きなんですね……」
瞬間に、後方に熱く猛ったモノの感覚を覚え、小さくうめき声を漏らした。


「愛って……なんですか?」



ガツガツと食われる。


「好きってどういう気持ちですか?」



「性欲を満たす為だけに、気に入った相手を抱くのも……愛、ですか?」



「答えてください、キョンくん。本体の僕と僕は変わらない。あなたを見ているだけで、こんなにも熱く猛る自身………愛、ですか?僕は……優を見ても、こんなにはならなかった。これは……憎しみ、ですか?」





――――愛?愛ってなんですか?僕は、あなたを愛しているんですか?わからない……わからない。僕のこの感情の昂りは、嫉妬?憎悪?ああああああ、僕は……僕は…っ、ぼ……く…は………




 

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