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「キョンくん!!!」

身体を床に押し倒されて、手足の自由が奪われて、動けない。

古泉の腕が俺を助けようと、身体を引っ張るのだが、中々古泉Bの力は強く抜けない。

「大人しくしてください。あまり暴れると痛いですよ?」


「何が……目的……な…んだっ」
古泉Bは軽く笑った。



「あなたに消えてもらうために、ウィルスに感染して頂くんですよ」


「なっ………?」
古泉と俺は同時に叫ぶ。
その隙にまた、キスをされた。



「んんっ……」
「キョンくん!!」


身体の中に無数のウィルスが入り込む感覚はおかしなものだった。


「キョンくん、どうですか?ウィルスの入り込む感覚は……」
すっと俺の上からどいた古泉B。
すかさず、古泉が俺を抱き締める。
「さい……あくだっ」
震える手で、口を拭い異変に気づく。

「消えるのは時間の問題かもしれませんね、また来ますよ」
ニコニコと笑って玄関から消えていく。



古泉は、俺をしっかりと抱き締めひたすらに謝った。


「もういいって……な?」
「しかし……っ」


何度も謝る古泉をなだめ、俺は手を眺める。




色素が薄くなっていた。




要するに、消えかかっているということ。






次、もしアイツに感染させられれば、俺は完全に消えてしまうのだろうか。






「キョンくん……っ、その手は……っ」
あまり感覚を感じなくなった手を古泉は掴み、問うてくる。
蒼白な顔。



コイツでもかなりの問題という事か……。


「分からん」



「感覚……ありますか?」
ギュッとつねったのが見えたが、さほど痛くない。
「あんまり感じないな……」


「長門さんのところへ行きましょう。緊急事態です」
しかし、そう言われても長門の家にはいけれないぞ?
「どうしました?」

「足に……力が…」
さっきの恐怖のためか、はたまたウィルスのためか、足に力が入らないのだ。






 

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