7.風間蒼也と私とグラサン。

「お前、グラサン似合わねぇなぁ。」

「やっぱそう思う?」

大学へ行く途中、私は諏訪に会った。

一緒に大学へ向かっていると、案の定私の変化に気づいた。

「それに対して諏訪はグラサン似合ってるね。」

「まぁな。」

「どうしてもタモ○さんみたいになっちゃう。」

「どのサングラスも駄目か?」

「うん。色々試したけど絶対笑われる。」

そう言いながら、グラサンを取りTシャツの胸元にかけた。

「まぁ、別に女はグラサンかけなくてもいいだろ。男はかっこつけるためにかけるけどよ。」

「まぁ、それもそうかなぁ。」

「…でもまぁ、お前の旦那は似合わなさそうだな。」

「は?誰だよ。」

「んなもん風間に決まってるだろ。」

「お前何言ってるの…?」

ちょっと動揺したとか死んでも言わない。

「あいつは似合わねぇな。お前と一緒だ。」

「まぁ、諏訪はチャラいからね。似合うよね。」

「チャラいとか言うなよ。……てかさ。」

「ん?」



諏訪は先ほどから私の胸元を先ほどからチラチラ見ていた。

そんな胸はないほうだが、なぜか見られていた。

胸元をチラリと見た後目をそらして言った。

「そのーー……。」

「なに。」

「…グラサン下がって、見えてる。」

「何が?」

めっちゃ顔真っ赤だよ。どうした諏訪。

「だから、あれだって。あれ。」

「あれじゃ分かんないし。言ってよ。」

「……。お、おう!風間!」

大学に入った瞬間、風間に出会った。

「あぁ、諏訪と…みょうじか。」

「おっは。」

「なぁ、風間。ちょっとみょうじの胸元見て感想言え。」

「は?」

「何言ってんの、お前。その発言でもうセクハラだろ。」

「じゃあ、俺急いでるから!」

逃げるように諏訪は去って行ってしまった。

真面目な風間はじーーーっと私の胸元を見てきた。

「……。」

「…!」

それからハッとしたような顔をして目をそらした。

そして私のサングラスをいきおいよく取った。

「!?なに!?どうした!?」

「お前は相変わらず警戒心というものが無いな。」

そう言い、私のサングラスを風間が自分の胸元にかけた。

「へ?なんでそういう話になるの。」

「…ちょっとこっち来い。」

「はぁ…。」

そう言われ、スタスタ歩く風間の後ろに着いていった。




-----------




あまり人がいない校舎に連れてこられた。

「なに?ここまで来ないとできない話?」

風間は廊下で立ち止まり、きょろきょろ辺りを見回し、人がいないのを確認した。

「そこのソファに座れ。」

「はぁ…。」

言われるがまま座ると私の前に立ち、耳元で囁いた。

「グラサンの重みでTシャツが下がって胸元が見えていた。」

「!?」

事実と風間の吐息で私の体は反応した。正直風間の吐息で8割をしめているが。

風間は軽く私に壁ドンするように右手は私の後ろの壁に手をついてる。

「お前は女という自覚を持てといつも言っているだろう。」

「はぁ…もってるつもりなんですけどねぇ。」

「もってない。」

「そうかなぁ。」

風間は壁から手を離した。

「胸は無いかもしれんが。」

「それは余計じゃボケェ!」

私のツッコミは無視し、かけていたグラサンを私の頭に乗せた。

「せめてこっちにしろ。」

「そうする。」

「…ったく。諏訪の野郎。」

「諏訪?」

「お前の胸をジロジロ見たってことだろう。あのバカ…。」

「まぁ、いいじゃん。男の子だししゃーない。」

「よくない。俺が。」

「風間が?」

「あぁ。」

「…よく分かんないけど。」

「あぁ、そうか。」

「でもなんでここまで連れてくんの?」

「あんな人がいる中で『胸見えてるから。』とか言うと周りのやつが気にするだろ。」

「あぁ、なるほど。」

風間はやはりまだ苛立っているようだ。

しかし風間が相変わらずの真面目で優しくて気分が良い。

「ていうか1限行き損ねたんだけど。どうしてくれる。」

「たまにはいいだろ。」

そう言い、風間は私の隣に座った。

「珍しいね、真面目な風間くんが。」

「寝る。肩貸せ。」

「え?まじ?」

風間は私の肩にこてんと頭を乗せ目を閉じた。

首元にふさふさした風間の毛先が当たってくすぐったい。

「……。」

「…まぁ、いっか。」


私はそんな風間を可愛いと思いつつ、寝息をたてている風間の写真を撮った。



[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -