1.風間蒼也と私と太刀川。
ボーダー本部の休憩所で太刀川と風間と会話していたときである。
「そういえば、みょうじさんって身長いくつなんの?」
「は?」
太刀川が悪気があるのかないのかみょうじに聞いてきた。
「…170だけど。」
「まじ?風間さんと12センチも違うの?なにそれ理想の恋人身長差じゃん。」
「お前それ彼氏側は私だからな??ふざけんなよ??」
「ツッコむとこはそこじゃないだろ。」
風間はため息をつく。
「みょうじに恋人ができるかってところだ。」
「うるせぇよチビ…ケンカうってんのか!」
「みょうじさんが言うと弱そうだなぁ。」
「まじでお前ら調子乗ってる。お前らの孤月とスコーピオンだけ耐久性くっそ弱くしてやろうか?」
「え、ちょ、みょうじさんそんなことできるの?」
「やばいって、風間さん。」と太刀川は少しアワアワする。
しかし風間は顔色を変えない。
「お前、そんなところに力いれないでもっと違うところに頭を使え。馬鹿が。」
「ぬぅぅぅわぁぁぁぁ!かぁぁざぁぁまぁぁ!」
「そんな色気のない声で呼ばれても何とも思わないな。」
「まじでチビいい加減にしろよォ!」
「いちいち大声出すな。うるさい。」
「お前があおってるんだろ!ちょっと今度まじでやるわ。お前のスコーピオン弱くしてやる。」
「フン。やることが小さいな。だから彼氏なんてできないんだろ。」
「それはお前もだろ〜〜〜????」
「俺は作ろうと思えば作れる。」
「ムキィー!!!このモテ男むかつく!!」
「猿みたいな声だすな。」
「猿可愛いから私も可愛いってことか!この照れ屋!」
「褒めてない。全然褒めてない。」
「照れんなってばーかばーか!!」
「お前ほんとうるさい。」
「やーい!このおちびちゃん照れてる!」
そうテンションあげあげのみょうじはいきなりふらついた。
「!?みょうじさん!?」
「っ…。」
倒れそうになるみょうじをすかさず風間は受け止める。
「……。」
「ったく…。だから大声を出すなと言っただろうが。」
風間はそう言い、意識が朦朧とするみょうじを休憩所のソファに寝かし、
お姫様だっこした。
「え、風間さん?」
「コイツ、もともと体弱いんだ。…いつもこうだ。ちょっと行ってくる。」
風間は颯爽と休憩所から出て行った。
「…風間さん、色々言いながらもみょうじさんのことよく分かってんなぁ。」
太刀川は二人をニヤニヤしながら見送った。
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