青き弁護士と修行中の霊媒師T

▼1〜3

ピピピピピピピ

「ん・・。こんな朝早くから誰だよ・・・」

『おっはよー!ナルホドくん!』

「真宵ちゃんか・・・」

『ナルホドくん・・・もしかして寝てた?』

「寝てたよそりゃ」

『んもう!お寝坊さんだなぁ!そんなぐーたらしてたら事件が逃げちゃうよ!』

「逃げないよ」

『他の弁護士に仕事とられちゃうよ!ナルホドくんニートになるよ!』

「ニートはやだなぁ・・・」

『じゃあ仕事しなさい!』

「ぐ・・・その言葉は刺さる・・・」

『しょうがないなぁ。この真宵ちゃんが手伝ってあげよう!!』

「え?いいよこんな朝早くから。仕事も無いし」

『駄目!このままだとナルホドくんがニートになっちゃう!』

「ならないって・・・」

『ほら顔洗って真宵ちゃんの帰りを待っててよ!』

「帰りって・・・僕ん家は故郷かよ」

『第二の故郷だね!』

「・・・・・・・」

『じゃあ切るよ?待っててね!』

ブチッ

「・・・・・・・・・・・・・・・顔洗って部屋片付けないとな。」


▼4

ピピピピピピピ

「はい」

『あ。ナルホドくん!事故にあったんだって?大丈夫?』

「大丈夫だよ。幸い軽いけがで済んだから」

『ほんとはお見舞いに行きたいんだけど・・・』

「大丈夫だって。忙しいでしょ?」

『うん・・・ごめんね?』

「そんな悲しそうな声するなよ。」

『うう。だって心配なんだもん!』

「・・・その言葉だけでも嬉しいよ」

『あーでも弁護士じゃないナルホドくんに会いたいなー』

「弁護士じゃないナルホドくん、って・・・。」

『へへへ。だってナルホドくんいつもスーツじゃん。いやー拝みたいねぇ』

「拝むって。僕は仏か神か。」

『フフフ。・・・・こんな会話したの久しぶりだなぁ』

「・・・そうだね。春美ちゃんも元気?」

『うん!いやー大人っぽくなったねぇ』

「それはマヨイちゃんもだろ」

『そう?自分じゃわかんないや。お姉ちゃんみたい?』

「ははは。チヒロさんとはまだほど遠いよ」

『ええぇ!歳一緒ぐらいなのになぁ』

「もうマヨイちゃんも20代だもんね。・・・チヒロさんが生きてたら三十路か・・・」

『あ。そんな事言うとお姉ちゃん霊媒するよ!』

「じょ、冗談だよ(ほんと殴られそう)」

『そうだ』

「ん?」

『病院じゃ暇でしょ?トノサマンのDVD送っといたから!』

「え」

『ちゃんと観てよー?レポート待ってるから』

「レポート・・・?」

『うん。一話ごとの感想をレポートにまとめて送ってくれたまえ!』

「・・・なんだよそれ。」

『みぬきちゃんにも伝えておいたから!』

「は?」

『レポート楽しみにしてるよ!』

「え。ちょ、お、おい!」

『何?』

「・・・レポート送る理由は?」

『だって・・・。ナルホドくんに会えないから。』

「え」

『ナルホドくんの字とか見たいなぁって・・・』

「・・・分かったよ。レポート楽しみにしといて」

『!!うん!』



そんな事言われたら書かざるをえないよ・・・




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