夏休みの課題を計画通りに終わらせて何時もより早めの11時30分にベットに入った。
携帯を弄りながら、ハルは今頃何をしているのかなとか、明日は会えるかな、なんて音楽を聞きながら考えているうちにあっとゆう間に時は流れた。
いよいよ日付が変わってしまった。せっかく早く寝ようとしてベットに入ったのに。
それは気にしないとして、結局は眠れずにいた。あー、ハルに会いたいな。
そしてとうとうウツラウツラとして、深い眠りにつこうとしている頃だった。
夜中の2時の合図を聞いてそろそろ限界だと思って毛布をかぶった時、いきなり携帯が振動して着信音が部屋に響いた。
慌てて起きてベットから降りたら、下に転がっていた人形につまづいてしまった。誰も見ていなかったので良かった。
意識はハッキリしていないので目をこすって大きな欠伸を一つ。それから携帯を取って相手を確認した。
携帯のディスプレイを覗くとそこにはハルの文字。
この電話の相手のおかげで、目が覚めてしまったのだ。相当の用事じゃないと許さないぞなんて思いつつ、ハルも私に会いたいと思ってくれていたらいいなと希望を抱いて通話ボタンを押した。
「もしもし?どうしたのハル?」
《寝れない》
ハルはしっかりとそう告げた。声からして、まったく眠れないようだ。
普段の彼らしくない言葉に、私は一瞬考えた。
もしかしてハルが私に甘えてくれたのかな?だとしたらニヤケがとまらなくなってしまうのだけど。
「分かった、じゃあ寝れるまでずっと電話してようか。」
《いや、いい。でも》
「ん?」
《おやすみだけ、言ってくれ》
力のない声に、やっぱり甘えてくれたのだと思った。声を聞きたいって思ってたの私ばっかりじゃなかったんだ。
「分かった、おやすみ。ハル。」
《おやすみ》
プーっ。すぐに電話は途切れた。
本当にこれだけで良かったのかな?と思いながらも電話を向いてクスクスと笑った。この為だけにわざわざ電話をかけてくるなんてハルにも可愛いい所があるじゃないか。
ハルがグッスリ眠れますように。
さぁ、スッカリ覚めてしまったこの眼。この落とし前はどうつけてくれるのだろうか。この電話だけで十分可愛かったから良しとしよう。