海で遊ぼう・始まり編

──今日は跡部様のプライベートビーチに皆さん(氷帝の皆さんに他校の皆さん)と遊びに来ていた。
何やら女の子、私だけじゃないかな?の疑問はそのプライベートビーチのある別荘に着いた頃に気づいた問題である。

なんというか、昨日の準備までは流夏ちゃんやちーちゃん、タマちゃんが水着を選んでくれたり(ここで一緒に選んでいるつもりだった)日焼け止めを用意してくれたりしてくれていたのに。
それは全部私の用意だけだったのだ。

橘さんの妹さんの杏ちゃんや青学の桜乃ちゃんと朋香ちゃんがいるという情報はどうもガセだったらしい。

「……たぶんこれ詐欺ですよね?私全力で騙されましたよね?!」

目の前の贅沢でいてシンプルな別荘を見上げながら、跡部様の背中をつんつんする。

「アーン?別に俺様は一言もそんなこと言ってねぇけどな。大体、お前の水着を選んだ三船も何も言ってなかっただろ?」

「そうですね……胸の傷のこと開き直ったなら、水着は大胆にして見てよ。私のためにとかドSな表情で言ってたのでてっきり来るもんだとばかり……」

「へぇ、大胆なやつなん?」

横からいきなり忍足先輩が私の腕を引いて耳元で囁く。

「知りません、取り敢えず今まで着たことのないタイプですが、水着って基本的に大胆なんじゃないですかね」

だって、普通に水着って露出してるから大胆なものじゃないかなとか思った。

「似合うかはともかく……」

ぽつりと呟いて俯く。
なんか恥ずかしくなってきた。
ちーちゃんに合わせて買うんじゃなかった。

いやちーちゃんの着るものとはまたタイプが違うんだけども。

「まぁ楽しみにしてるわ……」

目を細めて愉快げに笑う忍足先輩に、ちゃんとラッシュガードも持ってきてますからねと頬を膨らませた。

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