バレンタイン突発企画

(2020ver.※不思議少女の楽曲のみ)
※新テニが始まらずに卒業式を待つ&手塚は三月ドイツ予定。リョーマもいる二月設定
※(キャラ名)はその話の視点人物

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ドレスコード


「だ、騙された……!!」

俺は今、パーティー会場である氷帝の講堂前で膝から崩れ落ちた。
後ろで南さんと東方さんが微妙な顔しているのが分かる。そして喜多と新渡米さんがポンポンっと左右の肩を叩いてくる。

「ダダダダーンっ!仕方がないですよ!でも、カッコイイですから!」

壇のセリフにううっとサングラスをずらして涙を拭った。

「ぶふっ」

千石さんに笑われたことは一生忘れない。死ぬまで恨んでやる。

「……ったく、別にどんな格好でも構わねぇだろ!俺だって、制服だぞ」

山吹の制服を着ているのは亜久津さんと壇の二人だ。千石さんと南さん、東方さん、新渡米さん、喜多は普段着ているようなラフな服装だった。

「……俺だけ燕尾服なんですけどね」

はぁっと深いため息が出る。
何故俺がタキシードなんてものを着用してきたかと言うと、財前のせいだ。
個別メッセージで財前に聞いたのがそもそもの間違いだとは思う。今にして思えば、伊武や日吉にも聞けばよかった。

「おやおや〜?良かったね、室町くん!君だけじゃないみたいだよ!!」

「え?」

やっとの思いで立ち上がり、顔をあげる。
千石さんの言葉の意味を理解したのは、すぐだった。

「「あ!!」」

立海大の面々の中で切原と目が合う。
そして奴も燕尾服だった。ラフな普段着のメンバーの中で一人だけ浮いていたのが本当に可哀想だった。

目が会った瞬間に「お前も財前に騙されたんだな……」という妙な親近感と仲間意識が芽生える。

そして四天宝寺のバスが到着したと思ったら、財前と遠山くん以外が全員タキシードを着ていて、つい吹き出してしまったのだった。

……あぁ、詩織はなんて思うんだろう。それだけが心配だ。

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