バレンタイン突発企画
(2020ver.※不思議少女の楽曲のみ)
※新テニが始まらずに卒業式を待つ&手塚は三月ドイツ予定。リョーマもいる二月設定
※(キャラ名)はその話の視点人物
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なんやおもろないな
「「財前〜っ!!」」
恨めしそうな声を上げながら、室町と切原のアホが突撃してくる。
それをさっと避けると、二人はお互いに頭をぶつけ合っていた。
うわぁ。おもろ……。そして上手いこと写真撮れたわ。今日のブログの更新ネタはええ感じやな。
「……っと」
不意に会場の中が静まり返る。
さっきまで騒いでいた先輩らが黙ったんが気味悪くて、大勢の視線の先を追った。
途中で絶句して突っ立っている日吉の顔を見てイラッとする。
「……ちっ」
思わず舌打ちしてもうた。
「ほー……一段とまばゆかね……」
後ろから聞こえた千歳先輩の声に合わせるように師範までもが「そやなぁ」と声を漏らす。
前にいた謙也さんや白石元部長が真っ赤に頬を染めてるのは容易に想像ついた。
「ねーちゃんやんな?!」
「そうやでぇ、あれは詩織ちゃんよぉ!」
「化けたな……!」
金ちゃんの声にホモップルがうんうん頷く。
話題の人物は跡部さんに手を引かれて、会場の中心にある舞台に立っていた。
どうも緊張しているのか、ぎこちない動きでいつもに輪をかけて挙動不審だ。
だが真っ白で丈の短いドレスを着て、髪の毛を半分アップにしている姿は、俺が知っている詩織やなかった。
会場の中は美味しそうな料理が並んだビュッフェもあるというのに、誰もが目を奪われたのは詩織で。
それだけでも妙にムカムカしてくるのに、彼女の隣に立つ跡部さんがきっちりとした社交界用のスーツ姿なのがさらに腹が立った。
そして、俺が騙して燕尾服を着せた(先輩らはノリみたいなんもあったけど)メンバーが普通に詩織の隣に立つのに違和感ないというのが、余計に腹立たしい。
「……腹壊せばええのに」
「「なんで?!」」
俺が睨みながら呟いたのが聞こえたのか、室町と切原が涙目で訴えてきていた。
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