初めから何かが間違ってます



「それでやっぱ添い寝だよねぇ」
「ばっか!ここはやっぱ人間敷き布団だろうが!ほら意外性つくならよ」
「…………坂田の旦那って馬鹿だよね。あと、やっぱその発想からしてモテないよねぇ」
「っ!てめぇ、その声で余計ムカつくんだよォオオっ!!」
「えぇえ!声関係なくねっ?!」

……先ほどから、お二人は一体何の話をしているんでしょうか?

今夜のハロウィンパーティーの準備中で、菊ちゃんたちは買い出しに出かけていて、今この万事屋さんには私と佐助さんと銀さんしかいません。

そして現在は飾り付けを行っていたんですが、取っ組み合いみたいなことをしているお二人は先ほどからこの調子です。

「……もう!佐助さん、銀さん、暴れたら飾りが壊れちゃいますよ」

「あはー、ごめんねぇ。夢子ちゃん。恋人にする悪戯ならどれがいいかって話してたらさぁ」
「ちょーっとエキサイトしちまってだなァ、あは、あははっ。つか猿くんはムッツリ通り越してどえろよ、ほんと。夢子ちゃん、こういう軽薄な男だけは止めときな。後、声に騙されちゃいかん」

「……は、はぁ?」

佐助さんと銀さんが熱くなられているのはわかったが、どうして銀さんは私の肩に手を回されたんでしょうか。
疑問に思って首を傾げたら、不意に首筋をペロリと佐助さんの舌が……!

「さ、ささ佐助さんっ?!」

「あはー、びっくりした夢子ちゃんの顔可愛いー」

「ちょ、猿くん?君、抜け駆けはダメだと思うよ、抜け駆けは」

「そ、そして銀さんは、な、何故私の太腿を、な、撫でて……?!」

カァっと恥ずかしさで頭に血が上るのがわかる。
お二人は小さく笑みを浮かべられてから「いや、ちょっと悪戯を……」と私を挟まれたまま、耳元で囁かれた。


「……お、二人ともっ」

私だっていつまでも無抵抗なわけにはいきません!

「私に悪戯して競い合わないでくださいっ!反対に虐めちゃいますからねっ?!」

むぎゅうっとお二人の頬を左右一つずつ思いっきり抓ってみたら、思いのほか素直に大人しくなられたので拍子抜けしてしまいました。





「…………俺様、基本的に弄る側なんだけど、アリかもーあはー」

「……銀さんもSなんだけどー。うわぁ、俺の場合、大人の躾教室しちまいしてェ」


「…………あんたら、僕たちが買い出ししてる間いったい何の話してるんですか」
「銀ちゃんも猿も最低アルな」
「新八くん、神楽、アタシとこの馬鹿二人躾るか」
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