01


 

『こちら、レッド! 北西は皆たおした!』

『こちらパール! 北東は皆たおしました! ……ってオイ、ダイヤ! ポケモンが持ってた木の実を食うな!!』

『こちらエメラルド。北北西は皆倒したぞ。……お前ら、いちゃつくな〜!!』

「こちらブルー。じゃあ皆戻って来てね〜!」

「皆、ほぼ同時に倒しましたね〜」

 北西はレッド、グリーン、イエロー。

 北東はパール、ダイヤ、プラチナ。

 北北西はルビー、サファイア、エメラルド。

 指示には私……柚実とブルー。

「んで、ゴールド達は……」
『こちら、ゴールドッス! 皆倒しました!』

 丁度私のポケギアに連絡が来た。

 ……ったく。

『まーた、勝手な事して突っ込んでいったんだろ』

 ま、何時もの事だけど。

『そうなんですよ!』

 いきなりクリスの怒声が聞こえる。

 ……相当、怒ってるなぁ。

 さて、今回のゴールド達の仕事は校舎周りのはず。どんな失敗をしたのやら。

『それは、屋上に戻って報告しに来てね』

 ポケギアの通信機能を切り、呆れ顔な私とブルーは顔を見合わせる。

 ふぅ、大体予想は出来るけど。


@ @ @


「皆集まったわね!」
「じゃあ、カントー、ホウエン、シンオウ、ジョウト、そしてアタシとブルーの指示係、の順で話す」

 今日は、どこの地方のポケモンが出現したか。どのくらい早く倒せたか。トレーナーがいたかの報告をしてもらう。

 私が思うに、多分──

「じゃあ、俺達が最初だな!
えっと、北西はシンオウのポケモンが多く出た。んで、結構すぐに倒せた。トレーナーは居なかった」

「じゃあ、次は僕達だね。
北北西はカントーのポケモンが多く出たかな。こちらも結構すぐに倒せた。トレーナーの気配は……なかったんだよね、サファイア」
「うん!」

「次は僕達ですね〜。
ホウエンのポケモンが多く出たかな〜?
僕達も結構速く倒せたよね?」
「はい」
「トレーナーの気配はなかったと思います」

「次は俺達だ──」
「聞いて下さい!」
「……オイ、クリス!」
「ゴールドったら、またとんでもない所に行って!」
「こ、校舎内だから別に良いだろ!?」
「あのねー! 私達は校舎周りの担当なのよ!?」

 勝手にまた喧嘩を始める二人に私は頬杖をつきながら溜め息を吐く。

「で、校舎内はどうだった?」
「あ、はい、ジョウトのポケモンが中に入っていって……。なんか、中等部の方から声がしてすぐに中に入ったんス。でも──」
「居なかった」

 少し目を細めながら言うと、ゴールドが怒られると思ったのか少し怯えた様に言う。

「……はい」
「ふむ」
「……それがどうしたんスか?」
「ゴールド。あんた、お手柄」
『え!?』

 ニカッと笑ってゴールドの肩を叩くと、ゴールドとクリスはよくわからないといった様に首を傾げる。

「次はブルー。アタシは後から言う」
「そうねぇ。皆良かったと思うわ。屋上には誰も来なかったし?」
「そ。ゴールドのおかげでそれも──」

 皆、特にゴールドとクリスが頭にハテナを浮かべている。

「リューち」

 私はリューち──ハクリューをだした。

「竜の息吹!!」

 私は後ろのドアがある方に攻撃した。

『!?』
「うわあぁぁぁぁぁぁ!」

 悪者と思わしき人物がコロンと転がって来た。

「あ? 屋上には誰も来なかったんじゃないんスか?」
「普通だったらね。ゴールドのおかげでこいつがここに避難して来たのよ」
「?」

 ゴールドが理解しがたいのか首を捻る。



次へ




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -