「ん、んうぅ…?」
気付いたら僕は柔らかいベッドに寝てた。
ベッドふっかふかだ。気持ち良いなー。
でもどうやってベッドに来たっけ?
確か帰ってた途中で背後から…
背後からぁぁっ!!
微睡んでる場合じゃないっ!!
起きろ僕っ!!
「ひッ!!」
勢い良く起き上がって見渡したら案の定、知らない場所だった。
おっきな部屋のおっきなベッドの上。
そして見渡した事に後悔した。
おっきなベッドが小さく感じる程広い部屋。
窓が無いその部屋の壁一面に僕の写真。
近くの写真を見たら制服姿じゃなくて私服で買い物に行った時のまであった。
そして部屋の至る所に展示されてる僕が無くしたシャーペンに体操服、そして今日無くなった靴。
「なっ、なっななな何ここっ!」
何で僕の写真がこんなにあるの!?
しかも色んなものが飾られてるしぃっ。
もうもしかしなくてもさぁっ!
絶対ここっ、ストーカーの家だって!!
「おはよう斗真」
「ひっ…」
急に声を掛けられてびくって跳ねた。
意識を無くす前に聞いた声だ。
優しい笑顔を浮かべて近付いてくるこの人を見て顔が引き攣った。
だってまさかまさか。いやほんとまさか。
あの天野先輩が…?
「斗真…愛しい斗真。やっと手に入れた」
「!!」
先輩が目を細めた時に悪寒が走った。
この視線だ。
いつも纏わり付いてた気持ち悪い視線。
この人に間違いない。
男の天野先輩が俺のストーカーってどうなってんの!?
「ここね、俺の部屋なんだ。素敵だろ?いつも斗真を見ていたんだ」
「こっ、来ないでぇっ…」
先輩はうっとりと笑ってベッドに乗り上げて近付いてくる。
怖くて体の震えが止まらない。
もうほんと来ないでぇぇぇっ!
先輩から逃げようとして左足首に違和感を感じた。
恐る恐る見たらベッドに鎖で繋がれてる。
しかも下はズボンどころかパンツすら穿いてない。
何でぇっ!?
ちんことか曝け出してたから慌ててシャツを引っ張って隠した。
ほんと何でっ…何で僕なのっ…
「逃がさないよ。入学式の時見かけてからずっと愛してたんだ」
「いっ、嫌っ…」
先輩の目付きが鋭くなった。
迫力ありすぎるからぁ。
耐えきれずに涙が溢れたら近付いてきた先輩が涙を舐めた。
「最初は見てるだけで良かったんだけど…無邪気な斗真を見てたら我慢出来なくなったんだ。魅力的過ぎる斗真が悪いんだよ?」
舐められても涙が止まらない。
聞けば聞くほど震えが増してく。
この人っ、格好良いのに怖すぎる!
「やっと捕まえた。もう離さないよ」
先輩が微笑んで甘く囁くとまたベッドに体が沈んだ。
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