5 | ナノ
 



「う、ぁッ…」

また雅兎のブツが中に入ってきた。
さっき滅茶苦茶に掻き混ぜられたお陰で解れてはいるけど苦しい。

「汰狼…さっきまでの事は全部忘れろ。あと、俺の名前を呼べ」

全部忘れろは流石に無理だろ。
でも単純な俺はさっきの言葉とか行動全部頭の片隅に追いやった。
名前、呼んで良いんだ。

「ふっう、まさ、とっ…あッ!ひっぅ」

繋がりが深くなって同時に肌が密着する。
ただ触れ合ってるだけの場所が熱い。
雅兎が胸元に顔を埋めたかと思うと不意に胸の突起を吸われて体が跳ね上がる。
白い髪を止めてるピンが外れるとか気にする余裕も無く雅兎の頭を抱き寄せる。
もっと感じたい。もっと触れ合いたい。
さっきの事を忘れる程、今を実感したい。

「まさとっ、あっまさ、とっ!ひっあ、あっ」

「汰狼っ…存分に、感じろっ」

胸元から少し顔が離れて突き上げが激しくなる。
もう痛みなんて感じない。
快感の波だけが押し寄せてくる。
ただ突き上げるだけの行為じゃなくて俺が感じる場所を擦ってきてその度に腰が跳ね上がる。

「はぁっ、汰狼、良い、か?」

「ふっあっあ、いいっ、きもち、いいっ」

聞かなくても分かってるくせに。
でも素直に頷くと満足そうな笑みに変わった。
その笑みにまた魅了される。
やっぱ雅兎が好きだ。もう他なんか目に入らねぇぐらい。
本当に、大好きだ。
気持ちを確認してたら追い討ちを掛けるように律動が速まり高まる自身を少し擦られただけで呆気なく果ててしまった。
その後を追うように直ぐ雅兎の熱を中で感じた。


「あー…止まんねぇ」

「まさ、とっあっ、あぁっ!」

熱っぽく聞こえた雅兎の声とほぼ同時にまた律動が始まった。
結局日が陰り部屋が真っ暗になってもそのままずっと互いの体を貪り合った。








互いの欲が、寧ろ雅兎の欲が収まるまで激しい行為が続き体を綺麗にして今は雅兎の部屋のベッドの中に居る。

「これからはどんなちっせぇ事でもちゃんと全部伝えろ。お前のしょうもない小テストの点数でもだ」

「はい」

ベッドの中で甘い時間を過ごしている訳では無くただ説教されてる。
まぁ、事前にちゃんと話しとけば誤解される事もなかったわけだし素直に頷く。

「……お前の事で知らねぇ事があるなんて嫌だからな」

俺の頭を自分の胸元に引き寄せて耳元で囁いた。
それは、自惚れても良いのか?
いや、こいつの事だ。多分にやつきながら冗談混じりに言ってるに違いねぇ。
視線だけを上に向けて表情を確認したらにやつくどころか真剣な顔してた。
やべぇ、顔熱い。


「お前はこれからも俺のもんだ。絶対俺を裏切るな。俺から離れるな。…俺だけを一生愛し続けろ」

「……はい」


顔ごと上を向けられて真っ赤なまま頷いた。
意地の悪い笑みを浮かべてるけど嬉しそうだ。
俺も嬉しくなって笑って唇を重ねた。





End.



雅兎視点

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