(キスをされる度に)
(溢れるのは)
ひとつ、ふたつ
君が、遠慮がちに私の瞼や鼻先に口付けを落とす
「大好きだよ、ノノハ。」
長い髪の毛を梳きながら、目を伏せてそう囁く。
でも君は、ちゃんと私の目を見てそれを言ったことが、ない。
手を伸ばし、君の頬に触れる。
「フリーセル君、大好きよ」
私とは違う、綺麗な綺麗な青い目を見つめる。
「ノノ…ハ…」
くりっと大きな瞳を更に見開いて驚く。
それからふわりと微笑むと今よりちょっと力を込めて抱き締められる。
「僕も、だよ」
そういう君の瞳の中には私が映っていた。今君は私を見ている。…『ママ』でなく私を。
「ありがとう、フリーセル君」
出来るだけ可愛く彼の瞳に映るように、柔らかく微笑んだ
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