親友が絡まれてます。 | ナノ

ヴァリアー、来る!!


どき、どき、どき。
心臓の脈を打つ音が、自分にも聞こえてくる。胸元に手を当てて深呼吸をしても、効果はあまりない。隣に居るスクアーロさんは面倒くさそうに頭を掻いている。周りに居る綱吉達は、不安そうな顔をしていた。



「まあ、志奈が変なことしなけりゃ大丈夫だろう」



そう言うのは、アルコバレーノという呪われた赤ん坊のリボーン。スクアーロさんとの再会を果たした後、リボーンと出会ったのだが、その登場の強烈なこと。いきなりバーンッとドアを開けて入ってきたかと思うと「お前マフィアか?」と私に銃を突き付けてきたのだ。來海や綱吉達のおかげで誤解は解けたものの、あれは本当に怖かった。



「ベルが何するか分かんねぇぜ?」



山本君の言葉に「ベルって確か……」と以前話していたスクアーロさんの言葉を思い出す。ベルという人は、スクアーロさんの後輩でナイフを投げまくる危ない人、と聞いたことがある。「だって俺、王子だもん」が口癖らしい。……駄目だ、緊張に殺される。



「大丈夫です、志奈さん!! 何かあったら、この俺が何とかしますから!!」
「その物騒なダイナマイトはしまおうか」



準備万端!!、とでも言うかのように爆弾を両手に持っている獄寺。綱吉が隣で「ちょ、ここで暴れないでよ!!?」と言っていた。……そういう問題じゃない。最近の綱吉はマフィアのボスという自覚もあってかは知らないが、ツッコミ所がおかしい。



「このちまっこいのが先輩の彼女?」
「っ!!」



急に耳元で聞こえた男の人の声。吃驚しすぎて声が出なかった。顔を確認しようと、男の人の顔を見る。キラキラと輝く金髪。目が見えないくらい長い前髪。頭には銀色のティアラ。何より驚いたのは、顔が近いこと。今まで男の人にあまり免疫がなかった私にとって、顔を赤くするには充分なほど顔が近かった。「ち、ちか、い……」と顔を赤くしていると、スクアーロさんがすかさず「退け!!」と言って男の人を遠ざけてくれる。



「ししっ! なかなか可愛い反応すんじゃん」
「からかうな、手を出すな、近寄るな!!」
「うっひゃ、先輩過保護ー」



お手上げ、というポーズをする金髪の人。なんだか掴み所のない人だ。遠ざかった異性の顔にホッとしていると、スクアーロさんが苦笑しながら「大丈夫かぁ?」と心配してくれた。慌てて「大丈夫です」というけれど、いまだに心臓がバクバクいっていてうるさい。



「ベルちゃん、先に行っちゃダメでしょぉー!!」



また別の声。窓の方から声が聞こえ、全員が窓の方に目を向ける。そこには、恐らくスクアーロさんの仲間であろう恐い人が数人いた。綱吉が「窓からー!!?」って驚いてる。うん、綱吉常識人。さっきはズレてたけど。



「うるせぇよ、オカマ。それより、コイツがスク先輩の女だってさ」



つんつん、と私の頬をつつきながら笑う金髪の人。あの、ちょ、やめていただきたい。金髪の人の言葉に、一番恐い雰囲気を纏っている男性が私を見る。まるで睨まれているみたいで、思わず顔が強張る。



「鬼月、志奈といいます……」



何か言わなければ、と思い慌てて自分の名前を言って軽く頭を下げる。すると、その一番恐い雰囲気の男性は小さく「ザンザス」と言った。「ざんざす?」と首を傾げると、「俺の名だ」と教えてくれた。ザンザス……、スクアーロさんの上司の方だ。「よろしくお願いします」と言うと、ザンザスさんは「ああ」と短く返事をした。



「カス鮫、今度志奈を屋敷に連れて来い」
「はあ!!?」



ザンザスさんはそれだけ言うと、私達に背を向けてどこかへ行ってしまった。帰ってしまったのだろうか。唖然としていると、目の前にフードをかぶった小さな赤ちゃんが浮きながら近づいてきた。……えっ、浮いてる……!!?



「僕はマーモン。よろしく」
「初めましてぇ!! 可愛いお嬢さんね!! 私はルッスーリアよー!!」
「あ、俺ベルフェゴール。王子って呼んで」
「……れ、れれれれれv――」
「――コイツはレヴィ・ア・タンだぁ。近づいたら妊娠するから離れとけ」



こ、個性的だなあ。赤ちゃんに、オカマさんに、王子に、……近づいたら妊娠する人。スクアーロさんが所属する独立暗殺部隊ヴァリアーのオーラに圧倒されつつ「よ、よろしくお願いします」と小さく言った。



(そういえばスクアーロさん、ザンザスさんって思ったより良い人ですね)
(……ッはぁあ!!?)



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

リクエストをいただいて書いたものです。
ネタが思いつかなくてだいぶ遅くなってしまいました。
すみません(;´Д`)

レヴィは相変わらずの酷い扱いです。
え、それがレヴィだから仕方ないよね?←

個性豊かなヴァリアーメンバーに、主人公はタジタジです。
特にベルやルッスーリアのテンションにはついて行けなさそう…。
でも、マーモンとは結構話せる仲だといいなぁ。



ここまで読んでくださったお嬢様!!
いかがでしたでしょうか?

相変わらずの上達していない駄文でごめんなさい(;´Д`)



(管理人)

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