A requiem to give to you
- 崩落編 -

【第59音番外・ルーク達との合流前】


レジウィーダ:それで何だけど

グレイ:何だよ

レジウィーダ:アッシュ達はこれからバチカルへ行くんだよね?

アッシュ:非常に不本意だがな。イオンからも頼まれているし、何よりこれからの事でジェイドの頭脳は必要不可欠だ

レジウィーダ:だよね。そこでなんだけど、あたしちょっと考えがあるんだよ

アッシュ:嫌な予感しかしないんだが?

グレイ:アッシュ、それは今更だから気にしたら負けだ

レジウィーダ:ホント、あたしの周りの男って失礼な奴らばっかりだな

アッシュ:気のせいだ。それより早く言え

レジウィーダ:コイツ………まぁ、それで考えなんだけど。モースがルーク達をバチカルへ連れて行ったって事は、間違いなく預言遂行の為のダシに使うんだと思うわけだけど

グレイ:主犯はともかく、あいつらにとって重要なのは預言に背いた偽物を裁く事だからな。それが結果的に預言通りに進める為の手段に繋がるって言うンなら、処刑くらいだって厭わねーだろうよ

レジウィーダ:でもそれってさ、ぶっちゃけ言うとあたしらやタリス達って関係ないよね?

フィリアム:どう言うことだ?

レジウィーダ:だってあたしらってそもそもこの世界の住人じゃないし、預言なんて当然無縁だったわけじゃん。だから詠まれもしない預言に従う必要はないわけだし、ルーク達に加担しようがヴァン達に加担しようが、預言を理由にあたし達を裁く事って不可能だと思うんだよ。勿論、大虐殺したとか、不当な理由で人の尊厳を踏み躙ったとかした場合は別だけどさ

グレイ:言いたい事はわかるけど、かなり暴論じゃねーか?

レジウィーダ:どうせ向こうだって暴論振り翳してるんだからおあいこおあいこ♪

アッシュ:だとしても、お前はどうするつもりなんだ?

レジウィーダ:だからつまりさ、いっその事インゴベルト陛下とモースの前であたしらの正体をバラしてみるのも有りじゃないかなって

グレイ:下手したらその場で殺されかねねーな

レジウィーダ:勿論、ただバラすだけじゃなくって、ある程度のこの世界に喚ばれた理由も話しても良いだろうし。それこそ、ローレライの名前を出せば多少なり反応はあると思うんだよね。場合によっては例の裏技を見せつけても良い

アッシュ:また無茶苦茶な……大体、それをする事にお前達に何のメリットがある。それこそ下手をすれば世界を跨いだ戦争でも起きるぞ

レジウィーダ:そこは訴え方だよ。どうせ第七譜石が見つかってないんだし、今の世界の現状を顧みて、その先の不明瞭な未来についてこれからどうするかを考えるように持っていければ良いんだ。それに、

フィリアム:それに?

レジウィーダ:預言がない世界から来たあたし達の存在が認知される事で、キムラスカ王だけでなく、周りの人達にも新しい考え方が見つかれば十分にメリットになるしね!

アッシュ:………本当ならば直ぐにでも却下したいところだが、どうせ止めても聞かないだろうから、好きにやれば良い

グレイ:随分と寛大なこって

アッシュ:俺は、俺の目的がなされれば良い。ただ、ナタリア達をこれ以上の危険に晒すのだけは絶対にやめろ

レジウィーダ:それはわかってるよ。一発ドカーンとやったらさっさと撤退するから☆

アッシュ:不安しかねぇ……


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