A requiem to give to you
- 崩落編 -

【第48音番外】


ナタリア:ガイがルークを恨んでいるだなんて、信じられませんわ

ティア:ガイはルークやナタリアとは幼馴染みなのよね?

ナタリア:ええ……ガイは記憶がなくなり、赤ん坊同然となったルークの世話役としてずっと側にいましたわ。確かに、その中では嫌になる事もたくさんあったかとは思いますが、それでも殺したい程憎むと言う理由が思い浮かびませんわ

ティア:信じていた人に裏切られた、とルークは感じているのかしら………兄さんの時のように

ナタリア:それは……

レジウィーダ:このご時世、何があってもおかしくはないよ。時によっては生まれながらにして様々な事情を抱えている人だっているくらいだしね

ティア:レジウィーダ……そう、よね…………

レジウィーダ:ルー君が気になる?

ティア:え? まぁ、気にならないと言えば、嘘になるけど……でも、彼にはタリスやヒースがいるから

レジウィーダ:使用人だとかは関係ないと思うけどなぁ。それに、多分あの二人……特にタリスはそれどころじゃなさそうな感じだったし……かと言って、ルー君をあのまま本当に放っておくのもなんかねー………だからさ!

ティア、ナタリア:?

レジウィーダ:二人の代わりにティアちゃん、ルー君に喝入れてきてよ♪

ティア:え? わ、私が?

レジウィーダ:きっと、君が適任なんだと思う。君なら、正しくあの子を立ち上がらせてくれるんだと思う

ティア:そ、そんな買い被りすぎよ。私は、ルークには厳しいことしか言えないわ

レジウィーダ:それでも、一生懸命ルークがついてきてくれるのは、君が真っ直ぐにあの子と向き合うことが出来てるからでしょ?

ナタリア:ティア、わたくしからもお願いしますわ

ティア:ナタリアまで……

ナタリア:正直、複雑ですが……最初からありのままの彼を見てくれた貴女が、今のルークには必要なのだと思います

ティア:………わかったわ。丁度様子を見に行こうと思っていたところだし、行ってくる

レジウィーダ:うん、よろしく!










ナタリア:…………………

レジウィーダ:ナタっちゃん

ナタリア:あら、ごめんなさい。少しぼーっとしてしまいましたわ

レジウィーダ:大丈夫だよ。ナタっちゃんは、まだルークとは向き合い辛い?

ナタリア:……どうなのでしょう。確かに、彼はわたくしと約束をした”ルーク”ではありませんでしたが、それでも……大切な幼馴染みである事には変わりはありませんわ

レジウィーダ;それがわかってるなら、大丈夫だよ

ナタリア:そうでしょうか?

レジウィーダ:うん。あとは、それをちゃんとルークに伝えてあげれば良いんだと思うよ……今はそれで、十分

ナタリア:……そうですわね。ルークも、アッシュも……婚約者とか、約束とは関係なく、わたくしにとって大切な人です。それをしっかりと伝えてみせますわ!

レジウィーダ:その意気だ。頑張れ、ナタっちゃん!


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