A requiem to give to you
- 崩落編 -

【第73音番外】


トゥナロ:あー………

ルーク:ど、どうしたんだよ?

トゥナロ:結局またこの状態に逆戻りかと思うと………やるせねェ

ルーク:いや、自分から入った癖によく言うよ

トゥナロ:仕方ないだろ。こうでもしなけりゃ、ここには居られないんだ

ルーク:それ、思ったんだけどさ

トゥナロ:なんだ?

ルーク:もしかしてだけど、俺がローレライの力を継いでるって事に関係してるのか?

トゥナロ:……ほお?

ルーク:その、よくわかんねぇけどあんたってローレライの使者で、半分霊魂みたいなモノだって言ってたからさ。もしかしたら、似た音素同士で引っ張られちゃうのかなって思って

トゥナロ:お前…………意外と地頭良いんだな

ルーク:な、なんだよそれ。馬鹿にしてるだろ

トゥナロ:褒めてるんだよ。預言の為と放っておかれないでちゃんと勉強していれば、もしかしたら物凄い大物になってたのかもなって………いや、ある意味、今もまさに大物か

ルーク:全然褒められてる気がしねぇ……

トゥナロ:まぁ、何にしても。お前の考えは一部正解ってところだな

ルーク:一部?

トゥナロ:そう。確かに音素同士は引かれ合う性質を持っている。オレ自身、ローレライの使者だなんて名乗っているからには当然、第七音素で構成されてるからな。生身であればお前が放つ超振動の側にいるのは大変危険だ。……けど、

ルーク:けど?

トゥナロ:それよりももっと危険な奴がいるからな。遺憾だが、生身でそこにずっといるのは生命の危機すらある

ルーク:そ、そんなレベルなのか……

トゥナロ:そう。だから少なくとも、レジウィーダ達の無事がきちんと確認出来るまではオレもここを離れるわけにはいかないからな。それまではこうしてなきゃいけないんだよ

ルーク:そっか。………でも、

トゥナロ:?

ルーク:いつか………そんな事をしなくても、本当の自分の姿で自由に出来る日が来ると良いな

トゥナロ:! …………そうだな


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