・空き缶マニアル

再開は鮮明に
憧れの先輩でした。
捨てようとした空き缶をねだられて
言っときますが初対面です
いや、気持ちはわかるけど、さ
逃げるな?
同情なんていらないやい
ある日、自販機の前で
もしや待っているのでは?
都合よく目が合ったけど、
知らんぷりで缶コーヒーを買う
物言わぬキラキラ視線
あんたは捨てられた子犬か!?
情熱はありますがお金はないんです
ああ、そうかい、そうかい
成り行きでベンチに二人
昔に夢見た光景なのに
空き缶について語る先輩
優しい瞳に
ダメだ、戻ってこい、自分!
缶けりをしている人達
てめぇら、空き缶を何だと思っている!?
あんたこそ、何だと思っている!?
やめないといけないのか
押し付けてばかりではいけない
空き缶が微笑んでいるような
さ、錯覚だよ!
きっと、あれがあいつ(空き缶)の幸せ
ここ、真剣になるとこ?
俺は間違っていたのかな、
それぞれに幸せはありますよ
先輩の涙
いきなりまともにならないで下さい!
対応に困ります!
ていうのか、いまさら
俺は俺のまま
空き缶を愛する会創立
いきなりすぎるくらいがいい
まずはさ迷える空き缶を
なんだかんだで
くだらないなんて忘れたかな
ひだまりになりかけた瞬間
ねぇ、ぼくぅその空き缶くれないかな?
ハァハァと擦り寄る変態
親御さんに通報されかけた
何を考えているんですか?
だってあれレアモノよ
まだ興奮状態ですか…
お兄さん。
小さな希望、
これはお兄さんが持っていて
まじで、まじ、いいの
うん。大切にしてね。
僕も空き缶大好きなんだけど
ママにはゴミに見えるんだ
それはひどい!
でもね、しかたないの
諦めた笑顔?
これは僕しかわからない輝きだから
ずっとそうだったけど
同じものをわかってくれて嬉しかった
ぽろぽろ、きらきら
空き缶ってすごい
他人だった二人を同士にしたよ
夕日に求めるものは
ああ空き缶話がとまらない
私、なんで、ここにいるんだ
不意に襲われた不安
理由なんているの
ただそれだけでいいんだから
君が望んだ今を
空き缶のいいとこは
中身がなくて淋しいなら新しく
注がれたのは
お母さん、今日もいい天気です
もう自分の気持ちから逃げないよ
さぁ空き缶拾いと生きましょう!
先輩。


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